チベットの光 (78) 涅槃入定
【大紀元日本12月13日】このとき、空中に突如として色鮮やかな虹が掛り、天から細かな花びらがひらひらと舞い落ちて来た。ミラレパの弟子たちは、これらの形象を見て師父の最期が近いことを悟り、尊者に尋ねた。「先生、先生が涅槃に入られたら、どこの浄土に行かれますか?私たちは、どこに向かって祈りを捧げればよいのでしょうか」
「君たちは、どこで祈ってもよいのじゃ。信心さえあって、敬虔に祈りを捧げれば、わしはいつでも傍らにおる。実際、私の肉体は消滅するが、君たちが修行に精進すれば、わしは君たちを加持して、その修行を見守る」。尊者はそう言い終えると、遺言を残し始め、最後にこう言った。「わたしの没後、ラチンバはすぐ戻ってくる。彼が戻る前に、私の遺体に手を触れてはならん。もっとも大事な遺言と私がこれまでに集めてきた金は、この土釜の中に隠しておく。私の没後、その遺言を開けてみたらいい。中には君たちの修行を指導する方法が書かれている」
尊者は遺言を残すと、また説法を続けた。「世間で佛を学んでいる多くの人は、名利のために、表面上では仏事をやっているが、実際は供養を百とすると、心の中では千を回収しようとしている。これらの求める心を持ち、有為の行為を行う人たちは、実際美味しい食べ物の中に毒薬を投げ入れ、それを飲み込んでいるようなものなのだ。だから君たちは、くれぐれもこの世間の名利にとらわれて、名利というこの毒薬を呑み込んではならんよ。表面上では仏事に見えながら、実際では世間の俗事であるものは、君たちは徹底的に捨て、精進して実修し、うわべだけの修行をしてはいけない」。尊者は最後に言った。「私はもうこの世にはいなくなるが、私の話は銘記しておいてもらいたい。私の流儀を継承するように」
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