ビバルディの 『春』で能力アップ!

【大紀元日本5月29日】知能を高める音楽はモーツァルトだけではない。英ノーザンブリア大学の研究から、気分が高まる協奏曲、ビバルディの『四季』を聴くと、精神面での機敏さが増すことが判明した。とりわけ『』の第一楽章は注意力と記憶力を向上させるという。研究結果は『Experimental Psychology』誌3月号に掲載された。

実験は14人の若者を対象とし、画面に緑色の四角形が現れたらスペース・キーを押し、別の色や形が現れたら無視するという作業を行ってもらった。集中力を要するこの作業工程で、ビバルディの『四季』の4つの協奏曲を聴きながらと音楽のない場合を設定し、被験者の脳波を測定した。

その結果、気持ちを高揚させる『春』を聴いているときは、参加者の反応は正確で、音楽がないときよりも速かった。ゆったりと物憂げな『秋』を聴いているときは反応スピードが落ち、能力は低下した。また、最も重要な側面として、『春』が脳の感情処理領域に対して極端に大きな影響を与えたことが記録された。

『春』も『秋』も長調なので、長・短調の違いが脳の反応を特別に左右するわけではない、ということも判明した。

心理学者のリー・ライビー(Leigh Riby)博士は「『春』は脳内に特定のイメージを生じさせ、前向きな姿勢と満足感をもたらす。これが高い水準の認知機能に転換されるようだ」と述べ、治療環境で用いることも可能と提案。 この曲が人々に親しまれているのは、気分を引き出し、人の行動に影響を及ぼすため、マーケティングの手法として使いこなされてきたからだと指摘した。

同博士は「音楽が気分・注意力・感情を介して間接的に知覚に影響することは証明されている。今回の実験で、楽しく目が覚めるような刺激を受けたとき、認知能力が高まることが明らかになった」と結論を出している。

(翻訳編集・緒川)