【大紀元日本1月18日】ミカンの皮は2千年前、すでに生薬として使われていた。東漢時代(紀元25~220年)に完成された生薬の専門書『神農本草経』によると、ミカンの皮(橘皮)には「主胸中瘕熱逆気、利水穀、久服去臭、下気、通神」などの効果がある。現在の漢方医学でも、橘皮は最もよく使われている生薬の一つで、理気、調中、燥湿、化痰などの効果があり、生薬としての名前は陳皮という。
橘皮は、家庭でも簡単に利用できる。例えば、車酔いを予防するには、乗車1時間前に新鮮な橘皮を鼻孔の近くで押しつぶし、橘皮の中に含まれている精油を噴出させて鼻孔から吸い込む。乗車してからも時々このようにすれば、効果がある。
また、霜焼けには橘皮を火であぶって少し焦がし、粉末にした後、植物油と調合して患部に塗り付ける。
慢性の咳と痰には、橘皮15g、生姜5g、黒砂糖10gを水600mlで軽く煎じ、一日2回飲むとよい。或いは、橘皮30gを500mlの焼酎の中に入れて15日間以上浸ける。これを、1回30ml、毎日2回ほど飲む。
便秘には、橘皮15g、ミカンの核3gを300mlの水で煎じ、1日1回飲む。
二日酔いには、橘皮30g、塩3gを水300mlで煎じて飲む。
歯ぎしりには、 寝る前に口の中に一塊の橘皮を入れてそのまま寝る。
胃寒の嘔吐、腹満、消化不良、腹痛には、橘皮15g、生姜10gを水300mlと焼酎50mlで軽く煎じて飲む。
風寒の感冒には、橘皮15g、生姜10g、白葱20g、黒砂糖10gを水500mlで軽く煎じて飲む。飲んだ後、少し発汗できれば、より良い効果が得られるだろう。
橘皮を細く切って乾燥させてから枕に入れて使うと、高血圧に効く。
橘皮で作る薬膳
橘皮のお粥を作る時、少し橘皮を入れると、できたお粥は香りがあり、食欲を増す効果もある。胸の悶(もだ)え、胃の痞(つか)え、食欲不振の人に、薬膳としての治療効果がある。
橘皮スープ
肉のスープを作る時、少し橘皮を入れると、スープの香りが増し、脂っこい感じが少なくなる。
橘皮のお茶
お茶を入れるときに少し橘皮を入れると、消化促進、眠気を払う効果がある。
橘皮のお酒
橘皮を焼酎の中に入れて長時間浸けてから飲めば、化痰、健胃の効果がある。
橘皮のおつまみ
新鮮な橘皮を水の中で2日間浸してから細く切り、更に砂糖で20日間漬ければ香りの良い酒のおつまみになる。甘い香りで口当たりが良く、しかも酒酔いを予防する効果がある。
橘皮の餡
新鮮な橘皮を水できれいに洗ってからみじん切りにして蜂蜜あるいは砂糖の中に20日間ぐらい漬け、蒸し饅頭や圓宵(注1)の餡として使う。食べるとさわやかな香りを感じる。
(注1:元宵節に食べる米粉で出来た甘い餡入りだんご)
橘皮ジャム
橘皮をきれいに洗って水と一緒に鍋の中に入れ、数分間沸騰させてから鍋の湯を流す。新しい水を入れて同じように数分間沸騰させてから、湯を流すことを4回繰り返せば、橘皮の苦味がほぼ抜ける。橘皮の水を絞り出してからみじん切りにする。細かくみじん切りにした橘皮をもう一度鍋に戻し、更に適量の砂糖を入れて弱火で煮詰める。とろみが出てきたら、橘皮ジャムの出来上がり。
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