<赤龍解体記>(5)軍は危機をテコに大収穫

天安門事件後、_deng_小平はこう明言した。「軍が力強く守ってくれなかったら、中共はきっと滅びってしまったにちがいない」

 暴力と宣伝を、独裁統制を守る基本かつ最重要な手段とする中共は、危機に瀕すれば瀕するほど、この2つの力に頼らなければならなくなる。逆に言えば、中共の危機が深刻になればなるほど、軍部にとってより有利になり、中央から利益や権力を得る絶好のチャンスとなる。

 中東・北アフリカの民主化革命がもたらした危局が、軍部に新たな好運をもたらしている。

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ムバラク大統領の退陣を促した諸要因の中で、民意や米国の態度の他、軍隊の強い意志と明確な立場が決定的な役割を果たした。
「一国二制度」というサクラがあっても、中共は党内、とりわけ公の場で異なる声を絶対許さず、すべてが全党一致で行動しなければならない。
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福島原発事故を発端として、中国では民衆の塩の買だめ騒動が起きた。この騒ぎは、非常識だとされているが、しかし当事者たちにとっては命や健康にかかわる重大で深刻な問題であった。
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