「世界構造の大変革が、まもなく中国で始まる」=民主家が語るエジプト革命の啓示
【大紀元日本2月21日】「ミイラは目覚めた。兵馬俑は眠り込むわけにはいかない」。最近中国のネット上でこの言葉が流行っている。チュニジアの「ジャスミン革命」を発端に、北アフリカから中東のアラブ世界に広がった民主と自由を求める民衆の巨大な力は、中国の大衆にも躍動をもたらしている。在米中国人民主活動家・唐柏橋氏は、民主化がもっとも困難な国での勝利は、中国に大きな意義を与えていると見ている。
現在中国民衆が立っている局面は、エジプト人が民主運動前に置かれていた状況よりも民主運動の準備ができている状況にある、と同氏は確信する。また、中国で民主運動の行動実施に当たって、体制内との和解論や、体制内の改良派に期待する論調を切り捨て、共産党政権を完全に解体させる道を採るべきである、と同氏は主張する。
「民主化困難な国」での勝利が意味するもの
かつて天安門事件の学生リーダーで、現在ニューヨーク在住の著名な民主活動家の唐柏橋氏は、大紀元の取材に答えてエジプトの民主運動について次のように語った。
「イスラム国家において民主化運動が発生しにくいことは、西側の有識者によって以前から指摘されていた。しかし、不思議ではあるが、発生すべきものは発生するのだ。短期間に決着したエジプトの民主化運動は、一種の雪崩現象であった。これはやがてドミノ倒しのように、中東の全ての独裁者の終焉につながるだろう」。
また、イギリスの前首相で国連中東平和特使のトニー・ブレア氏は13日、ムバラク退陣後のエジプトにおける政治改革は、中東の全地域を民主化へ向かわせるとともに、中東地域の恒久的平和にとって重要な基礎になると述べた。
中国に対するエジプト民主運動の意義について、唐氏は、「エジプトにおける民主運動の勝利は、まさに、東欧やソ連の共産主義体制解体の引き金となったベルリンの壁が倒れたことに匹敵するものだ。北アフリカや中東だけでなく全世界へ、とりわけ中国へは啓示的意義も含めて、大きな影響を与えるだろう」と指摘。
中東民主化後の世界の仕組み-「孤立無援」の中共
唐氏によると、古代文明の栄えたエジプトでの民主の勝利は、同じく古代文明の栄えた中国に一層大きな意義を持つという。「独裁者である中国共産党は、常に民衆にこのように口説く。中国は歴史が長く、抱える荷物が重い、民主化はゆっくりやらねばならない、中国人は素質が劣る、だから民主化はさせられない。同じく歴史が長いエジプトでの民主運動の勝利は、中共の虚言を台無しにさせた。私は報道を通じてエジプト国民の声を聞いた。彼らは、自分が生まれた頃にはこのような勝利の日が来るなど夢にも思わなかった。その彼らが見事に成し遂げたこの革命は、誰にも妨げられない天意なのだ」
また、エジプトに端を発して、今後の世界の仕組みが大きく変わると同氏は考える。
「独裁体制やテロリズム、それに関係した戦争などが終結し、中東全域が民主化されれば、アメリカがこれまで中東地区に注いできた反テロリズムのための国力は、中国共産党や北朝鮮などの残りわずかな毒牙に向けられる。全世界の正義の力が中国に向けられれば、中国共産党は、必ず孤立無援となるだろう」
中国の民衆は「革命」を待っている
世界構造の大変革という歴史の大舞台は、まもなく中国から始まると唐氏は感じ取っている。エジプトの民主運動前の状況と比べて、今中国民衆が置かれている局面は非常に優れた状況にあると同氏は見ている。
「1月25点xun_ネ前、エジプト人の革命への情熱はどこにも見られなかった。しかし今の中国民衆の目覚めている程度は、1月25日前のエジプト人よりずっと高いのだ。私と良く連絡をとっているあるブロガーがエジプト事件後に私にこう言ってきた。君は中国国内の状況がよくわかっていない。国内の民衆は革命を待っている状況なのだ。もしその日が来たら、中国人の情熱は決してエジプト人に負けないのだ」と同氏は語る。
「今日の中国社会がどういう状況なのか考えてみなさい。まず、共産党離脱を表明する運動が水面下で進んでいる。それに幾千幾万もの法輪功学習者が(共産党の法輪功迫害に関する)真相伝えの動きをしている。それに銭雲会(政府の土地収用に反対したことで殺されたと疑われている浙江省の元村長)のような、自分たちの権益を守ろうとする民衆がたくさん存在する。さらに高智晟弁護士のような人権活動家がいる。さらに毎年8万から10万件の当局に反対する群衆事件が起きている。革命前のエジプトにこのような状況はなかったのだ」
中国民主運動のカギは、脱党運動にある
「だからこそ中国の民衆は、一日も早くその“準備”をしなければならない」と同氏は語る。
この準備とはなにか。現在中国大陸で民主運動に従事する一部の人たちが唱える「体制内改良」論調ではないと同氏は考える。今回のエジプト革命は22年前の天安門民主運動と非常に類似しているが、天安門民主運動より一歩前進して独裁者の辞任要求を出した。それこそエジプト人が成功した原因であるという。
この準備とは、独裁政権と妥協せず、中国共産党政権を完全に解体する覚悟にある、と同氏は指摘する。それによって中国は新しい時代に入るのだ。中国で水面下で進められている、民衆による共産党関連組織からの離脱表明こそが、エジプト国民が見せた力よりもさらに強力であり、しかも暴力によらない平和的手段として、中国では最も有効で望ましい方法であると同氏は主張する。
共産党関連組織(共産党、共産主義青年団、少年先鋒隊)からの離脱声明運動(三退)は、2004年12月大紀元社の社説「九評共産党」の発表がきっかけで、中国国内外でスタート、数年間で中国全土に広まり、水面下で進められている。現在離脱表明を発表するサイトに記録された人数はすでに8900万人に上っている。1日あたり平均数万の中国人がネット封鎖を突破するソフトを通して、海外の「脱党サイト」で実名や匿名の形で中国共産党やその関連組織から離脱の意思を表明している。
同サイトで発表さた最近の声明は、エジプト革命を意識した内容も多く見受けられる。2月12日、「項羽」というハンドルネームをもつ中国人が、対象の一つである少年先鋒隊からの離脱を表明し、次のようなメッセージを寄せた。
「エジプトは勝利した。我々の中国も、その日は近い。しかし私は、暴力による政権転覆を支持しない。暴力革命しかないなどと言うのなら、それはあの中国共産党と同じではないか。チュニジアやエジプトの国民は、最も暴力によらない方法、つまり強大な民意を結集させるという方法によってそれを成し遂げたのだ」
また、ムバラク大統領が退陣を表明する前の同月8日には、吉林省の劉・楊・曹ら7人が「三退」を表明し、次のような共同声明を発表している。
「北アフリカのチュニジア国民は独裁政権を倒し、いまエジプト国民が覚醒した。その独裁集団は、まもなく崩壊するだろう。中国共産党という邪党集団が最も恐れることは、中国民衆の『三退』すなわち脱党なのである。中共滅亡の日は、もはや目前に来ている」
同月6日、ハンドルネーム「自由の光」という中国人も「三退」を表明して、次のように述べている。「2011年は、すでに運命づけられた大変革の年である。暗黒の邪悪が滅亡し、真の自由と民主の光が全世界を輝かすのだ。エジプトのミイラは目覚めた。冬が去り、春が来れば、万物蘇生の時が到来するのだ!」
離脱表明者の人数は今月中に9千万人を突破するのは確実であるばかりか、今回のエジプトを始めとする各地の民主革命の影響によって、中共脱党者数は今後、加速度的に増加するものと見られる。