中国との光ファイバー業務提携に、米政府「ノー」 国家安全を懸念

【大紀元日本7月4日】米国光ファイバー製造大手のエムコア(EMCORE)が中国河北省の「唐山曹妃・投資公司」と合弁会社を設立する計画に、米政府が介入した。米国の国家安全に脅威をもたらす懸念があるとして、エムコアに同計画の破棄するよう説得した。

1年足らずの間で、ホワイトハウスが安全上の理由で、中国企業とのビジネス提携を阻止したのはこれで2度目となる。フィナンシャル・タイムズ紙6月30日が報道した。

光ファイバーの部品および太陽光発電の設備を生産するエムコア社(ニューメキシコ州に本部)は6月28日、自社サイトで、ファイバー事業部の60%の株を中国側に売却する計画を撤回すると発表した。「行政の専門家チームから提携計画に対して監督管理上の懸念を受け、外国投資委員会(CFIUS)への関連申請を撤回した」と声明文で示した。

同発表によると、6月24日、エムコアと「唐山曹妃」とも、米投資委員会に関連の申請を撤回した。

その一方で、エムコム社は、両社はこれからも引き続き、国家安全への考慮を解消できる他の協力方式を探っていくとしている。

ファイナンシャル・タイムズの報道によると、今回の中国企業との提携内容は、エムコム社が2780万ドルで光ファイバー業務の60%を中国「唐山曹妃・投資公司」に譲渡すること。この取引の金額は少額だが、米国国家安全業界で検討の対象とされている。

米国財政部が主管する米外国投資委員会は、国家安全の角度からビジネス取引を分類して調査を行う政府機関である。正式に企業間取引を阻止するのは非常にまれである。通常では、委員会は企業側に勧告を出し、企業が自ら取引を撤回し、計画を白紙に戻すという。

去年年末、ホワイトハウスは、米シエラネバダ州のFirsGold鉱業グループが中国企業に51%の株を譲渡するのを阻止した。理由は、その工場が米海軍の航空基地に隣接していることである。一方、同取引に関わった関係者は、ミサイル製造に欠かせない金属原料タングステンが中国側に流れるのを、米国政府が憂慮したと話したという。

2008年、中国の電信設備製造メーカー「華為公司」は、米国の3Com科学技術グループを買収しようとしたが、米外国投資委員会に阻止された。依然として米国進出の機会を探っている同社は、今回のエムコア案件に注目しているだろうと、ファイナンシャル・タイムズの報道は指摘する。

(翻訳編集・叶子)
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