【大紀元日本3月3日】わざと誤字や当て字を使って、滑稽な表現あるいは独特な情緒を醸し出す文字遊びは古から中国の文人たちの好みである。
中国語や中国文化を深く知れば知るほど、文字遊びの妙趣にひかれ、読んでいるうちに思わず噴き出すものである。もちろん、笑った後、つねに一種の寂寥感もこみ上げてくるが…
原語: 日本語訳:
《這年頭,到処都是錯別字》
(「この時代はいたるところに誤字と当て字ばかり」)(その二)
検査宴収。(検査して宴会でしめくくる。)
大力支吃。(食うことを大々的に支持する。)
為民儲害。(民のために害を貯めておく。)
提銭釈放。(金を出せば釈放する。)
攻官小姐。(官を攻める渉外嬢。)
語釈=
≪検査験収→検査宴収≫
(検査して合格させる→検査して宴会でしめくくる)
「検査験収」は本来、商品を検査して引き取るという意であるが、今は主に各行政機関や業界が管轄している部門に対し、目標達成などを検査し合格させることを指している。
中国では毎年、あらゆる行政機関や企業はいろいろな名目の検査を受けているが、合格してもらうためには、検査人員をうまく持て成したりお土産を送ったりし、場合によっては賄賂を行わなければならない。合格できるかどうかは、つねに宴会の場で勝負するのである。「宴」は「験」と同音なので、その実状に応じて「検査験収」を「検査宴収」に書き換えられたのである。
≪大力支持→大力支吃≫
(大々的に支持する→食うことを大々的に支持する)
「大力支持」も、中国の官僚社会でよく言われる決まり文句である。中国では、官費接待や官費飲食はごく普遍であり、それらに支払う経費は非常にぼう大である。その潤滑油を注ぎ入れなければ、官僚の機械がうまく動かないと言われている。したがって、国民の視点から見れば、各行政機関や企業の長たちは正当なことを大いに支持するより、「吃」(食う)を大々的に支持しているのである。「吃」は「持」と同音であり、「支」は「支払う、または支える」という意味である。
≪為民除害→為民儲害≫
(民のために害を取り除く→民のために害を貯めておく。)
「為民除害」とは、刑事犯罪者を判決したり殺したりするほかに、反中共の勢力を打撃する場合もよく使用される決まり文句である。
中国は今、経済の高成長を維持しているが、そのかわりに資源の浪費や環境汚染など多大な犠牲も払っている。しかも、伝統的な倫理道徳の喪失、官僚の横領・腐敗、社会の堕落などが日増しに深刻化している。その意味で言えば、中共は「為民除害」と唱えているが、実際は「為民儲害」になるのである。この「儲」は「貯める、保存する」という意味であり、「除」とほぼ同音である。
≪提前釈放→提銭釈放≫
(繰り上げて釈放する→金を出せば釈放する。)
司法界は中国のもっとも暗黒な業界の一つであり、「司法腐敗」や「司法乱用」は非常に普遍的なものと言われている。たとえば、服役・拘留中の者が賄賂すれば繰り上げて釈放することができる。
「提前釈放」は司法用語で、繰り上げて釈放するという意味であるが、不正の実態に応じてこの「提前釈放」は「提銭釈放」に書き換えられたのである。「提」は「出す」ことで、「銭」は金銭のことで「前」と同音である。
≪攻関小姐→攻官小姐≫
(渉外嬢→官僚を攻める渉外嬢)
中国の官僚社会にはさまざまな賄賂があるが、今では「性賄賂」がもっとも流行り且つもっとも有効な武器である。
中国の企業などは「攻関部」(広報部)があり、その中できまって「攻関小姐」というポストを設けている。本来なら、「攻関小姐」の仕事はまともなはずであるが、しかし、いつのまにかこの「攻関小姐」は官僚を攻める特殊部隊となり、しかもつねに性的サービスを提供するようにと強いられるのである。それで、「攻関小姐」は「攻官小姐」に書き換えられたのである。「官」は「関」と同音である。
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