【大紀元日本3月24日】
「夫」という字は、「一」と「大」からなる。中国では古くから、男は女より大きいものとしてイメージされていたことから、「大」は男を表わす。また、中国では古くには男性も髪を長く伸ばし、それを束ねて棒状のヘアピンで留めていた。「一」はそのヘアピンを表わすといわれる。
つまり、「夫」という字は、頭上にヘアピンをした立派な男子をイメージしてできあがった漢字で、「人夫」「匹夫」に見られるように、本来「夫」を意味するわけではなかった。
現代中国語では、夫を意味することばとして「丈夫」が使われる。これは本来、背丈が一丈に達した一人前の男を意味するものであったが、それが現代では「夫」を意味するようになったのはおそらく、夫は立派な男子であってほしいという願いから派生したものと考えられる。日本語の「夫」も同様の派生によるものと思われる。
ところで、男子を意味するもう一つの漢字に、「田」と「力」からなる「男」がある。男は田畑で力仕事をして家を支えるということであろう。一方、女性を意味する「婦」は「女」と「帚」(ほうき)からなる。つまり、女は家事全般を担って家を支えるということである。ここからも古代中国の夫婦のあり方が見えてくる。
(翻訳・田中、編集・瀬戸)
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