漢字の神秘(8):黨(党)

「黨」()は、日本語と同じく、政党、徒党というように、組織や団体、グループの意味で、マイナスの要素を含みます。

「黨」は、「尚」と「黑」(黒)から成っており、「尚」は、上昇する、促進するなどの意味で、「黑」は日本語と同じく黒、暗闇などを表します。中国で黒はよくない色とされ、喪に服するときも黒を用いるとされています。

そして、物質が焼け過ぎると、最後には黒焦げになってしまうことから、古代中国では、悪くなったもののみを燃やし、それが「黒」の下にある四つの点灬、火を象徴しています。

従って、黒いもの(黑)を促進する(尚)「黨」は、本質的に悪く腐っていくものであり、派閥や徒党は、古代中国でも嫌われていました。

孔子曰く、「君子は矜(きょう)にして争わず、群して、党せず」「論語」の注解によると、党とはお互いの悪と不正を隠し合うものであるといいます。中国では、小さな政治集団を「朋党」と呼び、よくないものとされ、「党を結ぶ」というと、「私利を営む」ことが連想されます。