中国十七回党大会前、直訴村ドイツメディア潜入取材
【大紀元日本10月14日】中国共産党(中共)第十七回党大会が迫っており、これまでと同様、5年に1度の代表大会を開催する前に、北京では大掛かりの大粛清が行われた。今年の粛清対象は直訴村。ここ3週間、北京政府は直訴村を撤去した。ドイチェ・ベレ放送局の記者が直訴村を取材し、北京からドイツへ現場報道を行った。
北京に来ている多くの直訴者は落ち着く場所がなく、彼らは永定門駅付近の芝生または陸橋の下で夜を過ごしている。彼らが持っているもっとも貴重なものは、直訴するための訴状だ。駅の近くにある「直訴村」の半分以上の小屋は取壊されており、廃墟の中に、直訴者らは木材とビニールシートを使って、一時的に身を置くテントを作った。中年の曹源明さんは、記者を「部屋」に招いた。中には幾つかのベッドが置いてある。曹さんは記者に一枚の紙を渡し、小さい声で「ここにはスパイがいっぱいいるのだ。私の兄は彼らに暴力を振るわされ亡くなったから、私は直訴する。すべてのことはここに書いてある。私の電話番号も書いてあるから、電話で連絡しよう」と伝えた。
直訴村はいくつかの路地に分かれ、殆どが小屋だった。政府の信訪局(人民が陳情する場所)および最高人民裁判所がすぐそこにある。直訴村に集まった人々は中国全国各地から来ている。多くは不当な取り扱いを受けた人や、無実の罪に着せられた人だ。持参した資金を使い切ると、ゴミ拾いなどの臨時雇いの仕事をして生活を維持している。直訴村で貸し出しているベッドは、1日5元かかる。曹さんは上着を脱ぎ、体と腕にある沢山の殴られた後の傷を見せながら、「警察、スパイに暴力を振るわれたのだ。他の人はお金があるから、刑罰は受けないで済んだ。しかし、兄はお金がないから、刑罰を受けた。兄は傷害鑑定書も持っているが、彼らはそれを無視した。わたしはそれらの資料を持っているから、直ぐに指名手配された」と訴えた。