三農問題の根本は、現国家体制に有る=中国有識者

【大紀元日本2月6日】 中国政府がこのほど発表した「国務院一号公文書」には、農業現代化する公的方針が書かれている。有識者の分析では、中国政府のこの政策では、農業を近代化する各種の障壁は取り除けないという。

今回発表された公文書は、国務院が「農業」「農民」「農村」の三農問題を解決するために、2004年から中央が発表してきた4件のうちの一つで、1982年の改革解放から数えると9件目だ。今回の公文書は、「現代農業を積極的に発展させ、社会主義を推進し、農村を新しく建設するための提言」と銘打った、三農問題解決に国力を投入し、農村のインフラ整備を進め、農業技術を刷新し、農業市場体系を健全化し、新しい農民を養成し、党の農村に対する指導要領を体系化し整備して、もって「農業が豊かにして、インフラ強化し、農民が豊かにして、国家栄え、農村穏やかにして社会安定」が、謡い文句だ。

農村部の金融機関:預金を受け付けるが「貸し渋り」

天則経済研究所の茅於軾・理事長の認識では、中央の政策で焦点になるのは、その資金投入の問題だ。投入される資金こそが核心部分で、資金がなければ、人材も集まらず、技術導入なく、近代化もない。長年来、農村の金融体系を研究してきた同理事長によると、農村の金融体系は、都市部の金融体系と比べものにならず、「ただ預金するだけで、貸し付けがない」と結論を出している。

同理事長によると、農村の金融機関は、ただ預金を受け付けるだけで、「貸し渋り」をしている。農村地区で吸上げられた資本金は、農業以外のところに投入されてしまう。資本がどこかへ行ってしまうと、人材も逃げ、労働力も逃げる。一般庶民がローンを組もうと思っても無理で、農村地区の富は、大都市部の建設プロジェクト、山峡ダムや国際飛行場の建設などに投入されるため、農村部の資金はますます少なくなる。

中央が唱える「新しい農村」

同理事長によると、農村部の金融問題には一縷の光明もあり、それには山西省の貧困農村が創設した「私有の金融機関」が参考になったという。それは、2006年ノーベル平和賞受賞者マハマド・ユヌシュ氏(バングラディッシュの経済学者)が創設したようなグラミン銀行「村の貸付機関」のようなもので、一定の成功を収めた。このような社会現象により、中央は農村部に対する綱紀を緩めるかにも見えたが、今回公文書では、相変わらず「農村部での貸し付けには、国有銀行の肩入れが必要」と指示し、民間資本の参入を許していない。このような政策では、「三農問題を解決する」と口では言いながら、「農民を独自に走らせない」魂胆が見えており、これこそが農村の発展を阻害する真の原因だ。

同時理事長の認識によるとまた、2007年中央が発表した「近代農業の建設」は、一種のスローガンであり、農業の近代化に何も具体的なことは講じておらず、一年前の提言と比較しても、はっきりとしたことは、「農民に新しく住居を与える」ということだけだ。中央TVでも「新しい農村」を報道し、公文書でも住宅整備を謳っているが、実際には、農民の多くが「民工」として、都市部に出稼ぎ労働者として流出しているので、公営住宅に閑古鳥が鳴いているだけだ。所謂、中国の農村近代化とは、農民が農村を離れ、都市部に出稼ぎに出ることだ。

「農業の近代化」とは、何かを犠牲にすることか

同理事長によると、中国の根本的な問題は、農民が多すぎることだ。農民は全人口の60%を占めるが、国内総生産(GDP)では、12%にしか過ぎない。人口の40%である都市部が、GDPの88%を占める。都市生活者の収入は、農村部と比較しても約10倍の高い。ちなみに、米国では、農業人口は2%にも満たない。先進国では、大抵が2-4%程度だ。中国の農村問題を解決するには、まず農民を減らすことが先決だ。

中国管理科学院農業技術経済研究所・副所長の姚監復氏は、「現政権が打ち出した社会主義的な農村政策を一応評価している。しかし、江沢民・前政権が唱えた東地区経済発展主導型の農業政策は、絵に描いた餅だ。中国の事情は複雑だ。それぞれの地方の情況に合わせた政策が必要だ…中国はわき目も振らずに、猪突猛進して農業を近代化してきたが、結局は道徳を犠牲にし、環境を犠牲にしてきた。欧米先進国もまた、始めは環境を破壊したが、後になって気付き軌道を修正してきた…砂漠化、空気汚染、水汚染、土壌汚染…このような近代化に一体何の価値があるのか」と改めて疑問を投げ掛けた。

「袋小路の鼠 」

三農問題を研究する民間シンクタンク「三村大地社会研究院」の牛玉昌院長は、「中国三農問題の根本は、有史以来、数千年に渡る農村部への搾取と中共政権による愚民化政策が原因だ。特に、農村部における法律と法規が欠如している…中国の国家体制は一種の袋小路の鼠のようだ。中央が風聞の良い政策を打ち出しても、地方政体の悪徳官僚たちがこれを食い物にしている。これらの腐敗を一掃できなければ、中央の損失は3000億元…いやもっと8000億元ぐらいにはなるだろう。国家がいくら農村に歳出しても、地方に届くまでに相当部分が消失している」と指摘した。黒龍江省・農村部出身の同院長は、「中央は、農村部のうわべばかり取り繕うとしているが、その根本的な問題が、その国家体制自体にあるため、解決は困難だ」との認識を示し、痛烈批判した。

関連記事
中国には、「一日の始まりに必要な7つのものがあり、それは、薪、米、油、塩、たれ、酢、お茶である」ということわざがあります。お茶は中国の文化の一部としてなくてはならないもので、客人にふるまったり、食後にたしなんだり、その長い歴史の中で育まれてきました。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
神韻2018年のダンスの演目『覚醒』では、古代の兵士が伝説の莫高窟(ばっこうくつ)で贖いを求める場面があります。366年に作られ、「敦煌千佛洞」としても知られる莫高窟には、興味深い物語がまつわります。この神秘なる聖なる場所を目指して、数世紀にわたり多くの者が巡礼し、敬虔を示し、壮麗な光景を自分の目で目撃しているのです。
自然死はまあ大丈夫だが、それよりも悪いのは、中国の実験室で漏れ出たコロナで何百万人もの死者を出したことだ。さらに悪いことに、その費用はすべて自由世界の税金で賄われている。中国が新たな感染症災害を招くと確信。 アメリカは、中国製の次の「殺人鬼」の誕生に資金を提供したり、協力したりすべきではない。
旧正月は、家族の再会を祝って団欒し、新たな一年への希望を抱く時です。お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃん、叔父叔母、離れて暮らす親戚に電話をかけて、「新年快楽!」「過年好!」と旧正月を祝います。