新唐人アジア太平洋放送局、新年祝賀祭・妨害工作で中共政権を譴責
【大紀元日本1月12日】新唐人テレビアジア太平洋放送局の黄小銘・総裁は9日、台湾立法院で、「中共政権は新唐人テレビの全世界華人新年祭を妨害するために、韓国政府に政治的圧力をかけた。結局、韓国ソウルの国立劇場での公演が前日に取り消された」と公表し、全世界華人新年祭は世界で活躍する華人芸術家による音楽イベントで毎年初めに開かれているが、中共政権は毎年、公演先の各国政府に圧力をかけ、公演を妨害していることを明らかにした。
新唐人テレビ局アジア太平洋放送局は9日立法院で記者会見を開き、中共政権の行為を非難した。同放送局の台湾代表劉鴬釧氏は、「ソウル公演キャンセルは、中共政権が新唐人テレビに妨害を働いた最新の事件。今回の巡回公演を協賛する各国の企業も中国大使館と関連団体から圧力を受けている。全世界に中共政権の本質をより明確に知ってもらうため、この妨害工作を明らかにする」と述べた。
韓国最大のメディア「朝鮮日報」と韓国通信社「韓聯社」の報道によると、中共政権は韓国外務省と文化部を介して、公演会場の韓国国立劇場に圧力をかけ、華人新年祭に会場を提供すれば、同劇場の今年6月に予定されている中国公演を取消すと恫喝した。韓国政府は中共政権の要求に応じ、開演の前日に主催者の新唐人テレビに、会場使用の契約を取り消すと知らせた。
全世界華人新年祭は2004年初めて開催され、2年目から中共政権の妨害を受けるようになった。新唐人テレビアジア太平洋放送局の劉鴬釧・代表は、「新唐人テレビは長い間、中共政権の人権迫害などを報道してきたため、中共に敵とみなされてきた」と一連の妨害行為の原因を分析、中国大使館が各国の政府や新年祭の協賛企業に、脅迫や利益供与などの手段を駆使していると明らかにした。
劉鴬釧・代表によると、中共政権はまず、韓国国立劇場が開演前日に契約を取り消したように、巡回公演の会場に圧力をかける。さらに出演予定のアーティストを脅迫する。2006年、豪州のバレエダンサー2人が、巡回公演に参加する予定だったが、中共政権に今後中国での興行・出演を禁ずると脅迫された。華人新年祭を協賛する民間企業や団体に対し、中国でのビジネスを制限、禁止すると脅す。
2005年には、新唐人テレビと衛星使用契約を締結したフランス衛星通信会社が、中共政権の巨額の利益供与を受け、新唐人との契約を破棄しようとした。後に、米国の政界関係者から強い批判を受けたため、この一件は達成できなかった。また、新年祭に参加する台湾のアーティストが、中共政権の脅迫を受けた事案は数例も発生したという。
新唐人国際文化学会の明居正・理事長=国立台湾大学政治学教授=は、「中共政権は、人工衛星を打ち上げ、軍艦や核兵器を有する「世界の強国」なのに、綺麗な伝統的な衣装を着て、古典舞踊を舞う人たちをなぜ恐れるのか」と疑問を呈し、韓国政府の理不尽な会場使用の契約取消に驚きと痛恨の意を示した。また、「大韓民国の立国精神は、反共産の民主と人権重視ではないのか…政治の角度からみれば、この国(韓国)は野蛮な暴力専制に屈し、国家主権を棄て、さらに最も根本的な立国精神を捨てた」と述べ、「韓国が中共政権に屈するならば、直接北朝鮮に投降すればよい」と皮肉った。
新年祭のキャンペーンチラシを手に、中国の妨害工作に抗議する明居正・理事長(大紀元)
母親と一緒に華人新年祭を観賞した台湾の立法委員・田秋菫氏は、公演には暖かい雰囲気が溢れ、究極の伝統文化の美を表現したと賞賛し、「中共政権は、なぜ芸術の領域に侵入し、このような醜いことをするのか」と理解し難い気持ちを示し、台湾の政治関係者に対し、「(中国)共産党を正確に認識することは、重要な課題である」と強調した。
華人新年祭の芸術総監・万裕民氏は、「舞踊芸術は、国境を越えた世界共通の言葉であり、文化芸術が高揚されている地では必ず希望と夢がある。中共政権のいかなる妨害工作に遭おうとも、我々は中国伝統文化を国際社会に融合させるために、これからも引き続き奮闘していく」と述べた。
台湾大学の張錦華・教授は、「中国のジニ係数はすでに4・5に達し、国内での貧富の格差と幹部の汚職が深刻であるのに、このような平和的な音楽イベントに妨害する財力や、精を費やす中共政権の行動は理解し難い」とコメントした。
劉鴬釧・代表は、「2年前に新唐人テレビと衛星使用契約を結んだ欧州の衛星通信会社が、中共政権の圧力と利益供与に屈し、契約を中止しようとしたが、この事件が国際社会で暴露された後、米国を含め、一部の欧米国家の政界関係者が相次ぎ非難を表明し、各界の支援により、妨害を回避できた」と事例を挙げ、平和的な文化事業に対する陰湿な妨害工作を仕掛ける中共政権の反社会的な行為を阻止させるよう、国際社会の関心と支援を強く求めた。