ドイツメディアの取材を受けた中国人、公安当局の取調べ後、襲撃され重体

【大紀元日本6月16日】中国長江の三峡ダムの建設をめぐる人権抗争の代表者・付先財氏は6月8日、北京で公安当局の取調べを受けた後、何者かに襲われ暴行を受け重体になった。付氏は5月にドイツのテレビ局・1チャンネルの取材を受けていた。北ドイツラジオ局の局長プログ(Jobst Plog)氏は、駐ドイツ中国大使館に強く抗議し、抗議文書の中で「この事件は明らかに付先財氏がドイツテレビ局の取材を受けたことへの報復である」と指摘した。ドイツ外務省はこの事件に強い関心を示し、報道官はすでに中国大使館を通じ、中共政権に対し事件の説明を求めていると明かした。

野党・緑の党の議会副総裁ストイトラ氏も中共政権に対し、この事件を調査するよう要求した。

付先財氏は5月19日ドイツテレビ・1チャンネルの取材を受ける際に、「(1994年から始まった)三峡ダムの建設のために移転した130万人の現地住民に、中共政権が事前許諾した補償金をいまだに支払っていない」と暴露し、補償金の支払いを求めるために、付先財氏は計15回にわたり、北京へ出向かい直訴し、地方政権に直訴したのは50回以上である。しかし問題がまったく解決されずに、頻繁に恐喝や、暴力を受けるようになったという。

AP通信の報道によると、付先財氏は6月8日に中共公安当局に職務訊問に呼び出され、取材の詳細状況について取り調べを受けた。その後、帰宅途中の付先財氏は身元不明の暴徒に襲撃され、重体になったという。

ドイツテレビ・1チャンネルの駐北京記者は、「現在、付先財氏は病院に入院し、危篤状態に陥っている。頸椎が骨折したため、一生半身不随で寝たきりになる可能性も高い」と確認し、付先財氏が医療費を支払えないため、病院側が治療を拒否していると明かした。

北ドイツラジオ局の局長プログ氏は、ドイツテレビ・1チャンネルの駐北京スタッフが付先財氏を見舞いに訪れたが、中共政権に阻止されたことを厳しく非難し、中国駐ドイツ大使館の馬燦栄大使に対し、付先財氏に必要な医療看護を最大限に提供するよう求めた。

プログ氏は中共に宛てた抗議書の中で、「中国は2008年でオリンピックを開催する予定。しかし、ある中国国民は外国メディアの取材を受けたため、暴行を受け、重体になっている。このことは実に憤慨すべきことである」と述べた。ドイツテレビ・1チャンネルの関係者も、「我々は全力を尽くして、付先財氏を助ける。絶対に彼を見捨てない」と語った。

(記者・田宇)

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。