故周恩来・元首相、逝去直前の本音

【大紀元日本5月25日】1975年末、北京305病院の病床で入院加療中の周恩来・元首相は、極度に衰弱し、全身が痩せ細っていた。末期の膀胱ガン、直腸がん、肺がんに蝕まれ、微かな命の息は、当時激しく進行している「文化大革命」とは対照的だった。

静まり返った病室の中には、身辺警護しかいない。周恩来はため息を発し、瞑目しているところ、脳裏にかわいい少女の姿が浮かび、その軽快な笑い声と微笑んでいる瞳が忘れられなくなった。このかわいい少女は自分の養女の孫維世ちゃんで、亡くなった父親の孫炳文氏は自分の親友だった。彼女のおかげで、家族生活の幸せを深く味わうことができた。しかし、その彼女はここに見舞いに来ることが永遠にできなくなった。文革の造反派は彼女をスパイとして殴り殺した。その死体は裸にされ、体中が傷だらけで、頭部に長い釘が打ち込まれたままだった。

彼女の逮捕状に署名したのは自分だと思い出すたびに、周恩来の心は、窒息しそうに苦しかった。数十年間も同じ屋根の下で生活を共にし、娘のことを知り尽くしている。しかし、「大義名分」の下で、最も「崇高の革命」の目的のために、この咲き始める前の花を無残に踏み潰してしまった。これに対して、周恩来は幾度も良識が捻じ曲がったことを痛感してきたのではないか。

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