七歳の中国人子ども:「生きることは辛いんだ。彼女を助けてどうするの」

【大紀元日本5月16日】「生きることはこんなに辛いんだ。彼女を助けてどうするの」と劉輝(リュウキ)君は言った。

中国紙「揚子晩報」4月27日付けの報道によると、4月19日夕方、七歳の男の子・劉輝君が漁船の上で遊んでいる時、一緒にいた2歳年下の妹が足を滑らせ河に転落した。助けを求める妹に対し、目の前にいた劉輝君は手を差し伸べることもなく、大人を呼ぼうともせず、何事もなかったように遊び続けたという。結局妹はそのまま河に流され、水死した。後に事件を知った大人たちがなぜ周りの人に救援を求めなかったのかと聞くと、劉輝君は冷静に上述の言葉を口にした。

劉輝君がこのような冷ややかな言葉を発した背景には、彼の幼いころからの苦難に満ちた生活がある。劉輝君は数年前に、両親と共に北部の山東省から南部の江蘇省蘇州市に出稼ぎにやってきた。両親は太湖で漁をして生計を立てていたが、その後両親が離婚、母親は幼い兄妹を残し再婚した。父親は酒浸りとなり、騒ぎを起こして労働収容所に監禁された。年老いた祖父母のわずかな収入が、一家の生活を支えている。劉輝君は両親の愛情に飢え、衣食さえ満足にない状況だ。妹は度々町でモノを拾って食べていた。幼稚園に入園したばかりの劉輝君は他の園児らとの生活レベルの違いを意識するようになり、幼いながら生活の辛さを身に染みて味わった。

大人を唖然とさせた幼い劉輝君の冷淡な言葉の裏には、一見繁栄しているかのように見える社会環境の背後に隠れた極端な貧富の差が伺える。例え家庭生活において様々な問題があったとしても、最低限の生活が保障されていたならば、幼い劉輝君も恐らく人生に対する自信と社会に対する希望を失わなかったはずである。

児童の心は種まき前の肥沃な土地であるとよく言われる。蒔く種次第で、それに応じた収穫が待っている。美しい夢を蒔けば、たわわな実を結ぶ。希望の種を蒔けば、豊作を迎える。冷たい感情しか注ぎ込まなければ、冷血な人間が育つ。怨恨の種を蒔けば、憎しみを収穫することになる。我々が社会的弱者に対して手を差し伸べなければ、社会に対する反逆者、怨恨者が必然的に増加することになる。そして将来、我々自身が、自らの無情に対する重い代価を支払うことになるだろう。

関連記事
法輪功の李洪志氏は「人類はなぜ迷いの社会なのか」を発表し、人々に堕落に抵抗し迷いから抜け出すことを促した。シドニー科技大学の馮崇義教授は、李氏の教えが「真、善、忍」に基づき、宗教的な倫理と人道を広く伝えていると評価している。
元北朝鮮駐英公使のテ・ヨンホ氏は、ロシアで戦う北朝鮮兵士に対し脱北を呼びかけた。テ氏は自由アジア放送のインタビューで「稀有な亡命の機会」と述べ、韓国への逃亡を勧めるとともに、兵士たちが金正恩のために命を犠牲にする必要はないと強調した。国を裏切る国の指導者、金正恩とはそういう人間ということだ。歴史には彼の汚名と犯罪しか残らないだろう。
ほんの数十年前まで抑止力の核を担っていた航空母艦(空母)は、もはやその力を失いつつある
スペイン東部を中心に10月末に発生した集中豪雨で、1日までに200人以上の死亡が確認された
スイスのチューリッヒ芸術大学は、中国のハルビン工業大学との共同プログラムを終了した。同校は協力終了の背景には、学位基準の違いや運営上のリスクがあるとしている。今後多くの大学が同様の対応を取る可能性が指摘されている