11カ国の弁護士は中国司法部に嘆願署名、人権弁護士・高智晟氏を声援

【大紀元日本11月23日】 11月11日人権法律プロジェクト(Human Rights Law Projects)の執行理事テリー・マーシュ(Terri E. Marsh)弁護士は国際司法正義促進協会(International Advocates for Justice)の執行理事・韓淑恵弁護士と連名で中国司法部部長・呉愛英氏に書簡を進呈し、中国の著名人権弁護士高智晟氏の法律事務所が強制業務停止を命じられた件に関心を示し、処分の撤回を呼びかけた。現在すでにアメリカや、カナダなどの11カ国の弁護士らがこの嘆願書に署名し、支持する意向を表明した。

米国宗教自由委員会は2005年11月9日ブッシュ大統領に親書を提出し、中国当局が11月始めに高智晟弁護士の法律事務所に業務停止の処分を罰したことを明らかにし、中国共産党は自ら捏造した事実を処分の理由として公布したが、本当の原因は、高弁護士が中国当局から法輪功やキリスト教地下教会の弁護から撤退するよう強要されたが拒否したためであることを説明した。嘆願書ではこのことにも言及した。

11カ国の弁護士らは「我々は、中国当局が高智晟弁護士の法律事務所に課した業務停止処分で、事務所の10人の弁護士に被害が及ぶほか、中国のその他の人権弁護士や、独立であるべき裁判官、弁護士、司法部門まで影響されている、中国が真の法治国家に邁進する障碍となり、世界における地位と名誉に関る出来事である」と進言し、高弁護士の法律事務所の業務停止処分を撤回するよう呼びかけた。

現時点で署名した弁護士、学者は以下の通り:

William Aceves (米国)

Clive Ansley (カナダ)

Andrea Bianchi (イタリア)

Theresa Chu (台湾)

OWEN DAKA (南アフリカ)

Carlos Iglesias Jimenez (スペイン)

Wolfgang Kalic (ドイツ)

Perry Link (米国)

DAVID MATAS (カナダ)

Naomi Roht-Arriaza (米国)

TOKUNAGA, Shinichi (日本)

Morton Sklar (米国)

Stravos Tsakyrakis (ギリシャ)

Erping Zhang (米国)

YOSHIDA Akira (日本)

Chris Lawrence (ニュージーランド)

Alfred Dodwall (シンガポール)

Frederick Rhine (米国)

Karen Chen Shi-Yuan Hong Donna Chen (台湾)

書簡の日本語訳

2005年11月11日

中国司法部部長・呉愛英殿へ:

拝啓

我々は人権活動に従事する法律界の学者と弁護士であり、国連の特別報告員の身分において、中国政府が国際法の数項目の規定に違反したことに、関心を表明します。中国政府が違反した法律の内容は、正当な順序権力、法律救済および被告人の弁護士を依頼する権力などであり、提起したこれらの原則と規定は「世界人権宣言」や、「公民権利および政治権利の国際公約」、国連「弁護士職務の基本原則」とその他の人権関連の法律文書に明記されています。

米国宗教自由委員会が2005年11月9日米国ブッシュ大統領に提出した嘆願書では、「中国政府は11月始めに著名な人権弁護士高智晟氏の法律事務所に業務停止処分を行った。中国政府は当事務所移転後に住所変更届けをしなかったことを理由と称しているが、実際には高弁護士が中国当局から法輪功やキリスト教地下教会の弁護から撤退することを拒否したためであります」と説明されました。それ以外にも幾つかの客観的な報告書が作成されており、「大赦国際」が2005年11月7日に公開した文書では、当法律事務所の首席弁護士が胡錦涛主席と温家宝首相に嘆願書を進呈し、法輪功に対する集団迫害を中止するよう要請した後に、中国政府から業務停止の命令を罰せられたと指摘しています。

しかし中国政府が宗教自由と国民が有すべき順序権利を違反したのは初回ではありません。国連の特別報告員による報告や、米国国務省による国家人権報告、国際宗教自由報告および「大赦国際」などのその他幾つかの非政府組織の資料には、中国政府は国民の権力と人権を無視し、國際協約に違反する事実が記録され評論されています。具体的な内容は宗教自由の削減や、正当順序権力に定められる恣意的な逮捕と監禁を禁じる条例への違反、国民が有すべき司法救済および被告人の弁護士を依頼する権利の違反などであります。国連人権委員会高等弁務官事務所の報告(大会第59期、書類NO.A/59/402,2004年10月1日)を例に、中国の司法制度に存在する数多くの重大欠陥について説明されました。同じく米国国務省の国際宗教自由部門の「中国の政策焦点」(代表団が2005年8月14-28日に訪中した際の報告書)にも同様な論述が出されています。

私たちは北京司法局が高智晟弁護士の法律事務所に課した業務停止処分は、「在職する10人の弁護士に被害が及ぶほか、中国のその他の人権弁護士や、独立であるべき裁判官、弁護士、司法機構までに影響されている、中国が真の法治国家に邁進する障碍である」と確認しています。

この事件は中国の世界における地位と名誉に関る出来事であるため、私たちは高弁護士の法律事務所の業務許可を復旧するよう希望します。

敬具

(連名弁護士の自署)

Terri E. Marsh

Executive Director

Human Rights Law Project

_______________

Lana Han

Executive Director

International Advocates for Justice

関連記事
湖南省株洲市の湘江で、ウイルスサンプル収集用試験管が大量に発見され、住民たちは感染リスクに怯えています。当局は「未使用で損傷はなく、ウイルスは検出されなかった」と発表しましたが、専門家や市民の間で疑問の声が広がっています。試験管の正体や流出の経緯について調査が進む中、不安は収まりません。病院も研究所を信用できないのは間違いない。中国ではコロナが収束していないというのは、こういうことなのか?
米司法省は最近、IR事業をめぐり日本の政府関係者に賄賂を渡すよう指示して、中国企業のCEOを海外腐敗行為防止法違反の容疑で起訴した。
ニセモノ摘発も命がけ、道徳低下した中国社会。中国福建省の展示会で、偽商品の摘発を目的とするインフルエンサーが暴行を受ける事件が発生しました。「福建鉄鉄」のカメラマンが問題商品を通報したことがきっかけで、出品者らから集団暴行を受けたとされています。この事件は、中国SNSやメディアで大きな注目を集めており、現在、市場管理局と公安当局が調査を進めています。偽商品撲滅の活動が招いた事件の経緯とその背景に迫ります。
19日、中国江蘇省連雲港市にある国有企業「中国化学工程第十四建设有限公司」の正門前で、ある女性が滞納された給料の支払いを求めて会社管理者の足に抱きつき泣き叫ぶ姿が撮影されました。この動画はSNSを通じて拡散され、多くの人々に衝撃を与えています。女性の訴えに耳を貸さない企業の対応と、中国社会で頻発する同様の問題に、ネット上では悲しみと怒りの声が相次いでいます。「惨め過ぎる」労働者の姿。官製メディアが宣伝する「盛世(繁栄)」中国のリアル。経営者が人間なのか? 人間であれば、会社をつぶす決意をして、会社財産を売って、給料を支払うはずだが。
湖北省武漢市で、配達食注文に対するクレームが原因で、配達員がナイフを持って客の家に押し入ろうとする衝撃的な事件が発生した。監視カメラには、ドアを内側から押さえる家主と、外でナイフを振り上げながら脅す配達員の姿が記録されている。この事件をめぐり、SNSでは中国社会のストレスや労働環境への懸念が噴出。「極限状態にある人々の行動は予測不能」といった声も広がっている。 至るところに「火薬庫」の中国、言動を慎まないと、いつどこで殺されるかわからない。