二つの祖国を生きて(上)

【大紀元日本8月18日】日本は本年、終戦60周年を迎えた。終戦のきっかけとなった人類初の原爆使用で、今もなお戦争の傷跡が残る広島に、もう一つの戦争の傷跡を背負う人々がいる。中国残留孤児が生きた戦後60年は、絶望の波間に時折希望が見え隠れする不安定なものだった。養父母に恵まれた孤児たちはほんの一握りであり、多くは貧困の中で、日本人であるがゆえに負い目を感じる、牢獄のような人生であった。その悲惨さに拍車をかけるかのように、中国共産党の圧政が彼らを恐怖と苦痛に陥れた。日本と中国、二つの祖国の狭間で翻弄された中国残留孤児たちの体験を通して、中国高官らの亡命や共産党から350万の中国人が脱退するなど、時代の転換点に置かれた中国共産党の悪政を検証していく。

敗戦で一家離散

60年前、まだ5歳だった伊賀乾次さん(65)=広島県東広島市=は満州にいた。終戦後の過酷な条件の中、ソ連軍に追われ、日本人(女性と子どもばかり)であふれかえる収容所に半年近くも拘束されていた。伊賀さんは生死の境をさまよっていた。

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