冀晋峪:中国が謳える「平和・協力・発展」の深層を読む

【大紀元日本8月13日】中国は各国との国際関係について言及する際、常に「平和、協力、発展」を強調する。台湾との関係にも同様なことを唱える。中共はこれが世界のトレンドであり、グローバル時代の動向であるというのである。表面上は堂々として、誰もが拍手して賛成する言葉である。故に、中共が外交上の窮地に陥ったとき、中共が人権人道に反し、民主自由に反することを譴責されたとき、または、諸外国が道義及び利益において態度を決めかねるとき、中共が国内外双方ともに行き詰まるときに、この言葉の使用頻度が高まるのである。日中関係の悪化及び台湾国民党・連戦氏の訪中がこのことの顕著な例証となった。しかし、この言葉は中共が人の耳目を惑わし、世界を騙すために用いる言葉である。我々はこれらの言葉のうわべだけを見てはならず、その裏にある意味を認識しなければならないのである。

一.中共が唱える「平和」の意味の真相

文化大革命によって中国の政治、経済及び中共自身が崩壊寸前にまで追い込まれてしまったため、中共は共産党独裁体制を維持するために、改革開放や経済発展の路線に切り替えざるを得なかった。しかし、世界の価値観は民主自由、人道人権を提唱する時代になっており、中国社会の各階層、中共内部でも世界と同様の価値観が強く求められるようになりつつある。さらに、各国の政界、民間組織及び国際組織から中国に対して、世界価値観に合わせるように中国の民主自由を支持し、中国のかつての悪行を譴責することも必然的に起きてくる。このようなことが起きれば、中共の独裁統治が安定できなくなる恐れがあるから、中共側はそれらの要求を中国への内政干渉であると言い、「平和」を破壊すると反発している。現段階において、中共がいう「平和」の本当の意味とは、外国から中国へ民主自由の理念をもたらさないこと、及び中国の民主自由、人道、人権に注目し、それらを支持しないこと、そして、中共独裁統治の合法性を承認し、中共独裁統治の安定を保障することである。中共の深層心理が分かれば、中共がいう「平和」は、世界各国が持つ平和の価値内容とは相容れないものだと理解できる。中共がいう「平和」の基準とは中共が引いた境界線であり、それを越えなければ平和を守る友好的な友であり、越えたものは平和を破壊する敵対勢力と見なすのである。中共はいわゆる「平和を守る」ために、「ベルリンの壁」に類似したもの設け、中国民衆が覚醒し、中共からの離脱を防止するために、中共の理念に不都合なこと及び事実が暴かれることを遮断するのである。同時に、中共は極力「良い外部平和環境」を作ろうとしている。

▶ 続きを読む
関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。