豪州前国防次官ディブ氏:中国とは距離を置くべきだ
【大紀元日本8月4日】豪州前国防次官、豪州国立大学戦略防衛研究センターの総裁・ポール・ディブ氏は、8月2日「豪州人報」(The Australian)で、社説を発表し、豪中関係で妥協するハワード政権に、中国に近寄らないことが賢明と警鐘をならした。中央社が報道した。
ディブ氏は、資本主義が中国で実行されているが、中国共産党は依然として独裁暴政で、党の意に沿わないあらゆる国民活動を鎮圧しており、言論の自由や、民衆の権利および政府を批判する声が、抹殺されている。中国の経済成長と軍事拡張には、民主国家が厳重に警戒すべきで、反テロ戦争に気を取られすぎて、中国台頭の脅威を無視すると、戦略政策の重大な誤りになる。
ディブ氏は「中国の台頭で北東アジアの勢力バランスが変化し始め、自らの影響力を強化させ、日本と韓国のアメリカとの盟友関係を制御することを企んでいる。一方東南アジアでは、アジアサミットを巧みに利用して、アメリカ主導のアジア秩序を変えようと動き出している。南太平洋地域では、豪州の近隣諸国が中国の政治とビジネスの浸透を憂慮し始めている」と詳細に分析した。
また、同氏は、最近中国は徐々に日本に代わって、アジアのNO.1に変身してきた。中国共産党は、これから日本に厳しい態度で臨むのは明らかである、そのため北東アジアの緊張関係が激化するのは避けられず、アジア太平洋地域の安全を脅かす結果となる。豪中関係よりも、豪日関係がもっと重要だと認識すべきと提言した。
ディブ氏は中国の軍事拡張問題にも以下のように言及した。
「中国共産党は独裁政権で、公表した軍事予算が非常に不透明で、信憑性が薄い、毎年の国防費用が560億ドルに達し、アジアの首位で、世界ではアメリカとロシアに続き、第3位になる。そのほか、225万人の正規軍人と80万人の予備軍人に構成される世界最大の部隊を保持している」。
同氏は、アメリカの国務総省が最近公表した「中国軍事力年次報告書」と米国家情報委員会の資料を引用し、「中国は先鋭の戦闘機や、最新技術を備えた潜水艦などを購入し、弾道ミサイルの数量を増やし、軍事力の増強に全力を注いで、米国などの潜在敵対国に対抗しようとしている。台湾海峡には、約650基の弾道ミサイルと大量の潜水艦を配備させている、その力で、台湾海峡を封じ、米国空母の通過を遮断することが十分にできる。これから20年以内に、中国はアメリカに次ぐ、世界第2位の軍事予算大国になることを予測する」と指摘した。
最後にディブ氏は、これらの衝撃的な事実は、私たちを覚醒させるに十分であろうと警告した。