コロナ、国際政治をテーマにしたサスペンス・スリラー映画『超限戦』。写真は劇中のシーンである(Ganjingworld.提供)

映画『超限戦』東京・さいたまで上映へ コロナ禍と情報統制の「裏側」を描く

人権問題をテーマに活動する市民団体「未来社会フォーラム」は、カナダ映画『超限戦(The Unrestricted War)』の上映会を、10月25日に東京・大塚、31日にさいたま市で開く。新型コロナのパンデミックを背景に、科学と権力、情報統制、個人の倫理を問う長編劇映画で、日本語字幕付きで上映する。

北京で拘束されたウイルス学者と謎の感染症

本作は2025年製作で、上映時間は2時間20分。カナダ在住のYan MA監督が、実際の出来事に着想を得て制作した。

主人公はカナダ人ウイルス学者のジム。中国での研究協力の最中に、妻とともに突然拘束され、北京で監禁される。同じ頃、武漢から謎のウイルスが広がり始め、やがて世界的なパンデミックへと発展していく。ジムは、自らの拘束が国家レベルの思惑と結びついていることに気づき、脱出と真相の究明に乗り出す。

コロナ禍を背景に 情報と権力の関係を問う

パンデミックは、誰もが当事者となった出来事だった。あの時、私たちが受け取っていた情報は、誰がどのように選んだものだったのか。作品は、現代社会における情報と権力のあり方を観客に問いかける。

コロナ、国際政治をテーマにしたサスペンス・スリラー映画『超限戦』。写真は劇中のシーンである(Ganjingworld.提供)

カナダ 台湾 各地で上映

本作は2025年5月にカナダで劇場公開され、トロント、カルガリー、バンクーバーの映画館で上映した。監督によると、制作中には外部からの圧力があり、出演予定の俳優が撮影の直前に降板したほか、カナダでの最初の上映会は前日になって中止になったという。

2026年5月には台湾でも劇場公開した。台北では、台北弁護士会の人権委員会が映画館を貸し切って上映会を開き、弁護士や元国防大学政治作戦学院長が登壇する座談会も行われた。韓国・ソウルでも試写会が開かれている。

コロナ、国際政治をテーマにしたサスペンス・スリラー映画『超限戦』。写真は劇中のシーンである(Ganjingworld.提供)

未来社会フォーラムが主催 人権課題を発信

未来社会フォーラムは、世界の人権問題、とりわけ中国で続く人権侵害に焦点を当てる市民団体。海外の映画の上映や書籍の出版、専門家の招聘を通じて、国際的な人権課題を日本社会に伝えてきた。現在、NPO法人格の取得に向けて準備を進めている。

上映日時・会場・チケット料金

東京会場:10月25日(日)15時開演/シネマハウス大塚(定員56名)

さいたま会場:10月31日(土)14時開演/彩の国さいたま芸術劇場 映像ホール(定員150名)

料金:前売券 一般1600円・高校生以下1000円/当日券 一般1900円・高校生以下1500円

座席:全席自由。前売券は公式サイトから購入できる。

詳細:https://mirai-shakai.org/

関連記事
日本の柔道女子選手、前田凛は10月1日、女子70キロ級で金メダルを獲得した。準々決勝で中国の唐婧と対戦した際、相手に20秒以上にわたり腕をかまれ、この思わぬ出来事が日中で大きな話題となっている
木原稔官房長10月2日記者会見において、北海道共同募金会が運営する「赤い羽根共同募金」をめぐり、寄付金約2億5千万円の使途が不明となっている問題を取り上げ、「大変遺憾である」との認識を示した
食卓を支える農村が消える?2050年、全国の4分の1の集落が機能停止の危機に直面。食料・安全保障危機を未然に防ぐため、守るべき農地の「線引き」や広域連携、「農村の終活」という新たな選択肢に迫る
聖書の「バベルの塔」の物語を手がかりに、AI開発競争を考察。技術や資本の集中、共通基盤への依存、競争から取り残されることへの懸念など、現代のAI開発と物語に共通する構図を探る