9月8日、閣議後に記者会見する小泉進次郎防衛相(防衛省)

「人を大切にしない自衛隊に未来はない」小泉防衛相 退職自衛官支援庁を新設へ

9月8日の閣議後記者会見で、小泉進次郎防衛相は、退職した自衛官とその家族を支援する新組織「退職自衛隊員・家族支援庁(仮称)」の創設に意欲を示した。2027年度(令和9年度)予算の概算要求に設置経費を盛り込んだうえで、「どのような最新装備品や武器を持っても、人を大切にしない自衛隊に未来はない」と強調した。

装備の高度化が安全保障論議の焦点となるなか、小泉氏が重視したのは人員基盤の強化である。自衛隊員の確保を「政府を挙げて取り組むべき至上命題」と位置づけ、現役隊員の処遇改善にとどまらず、任務を終えて退職した隊員や、日頃から隊員を支える家族への支援にも取り組む考えを示した。「外ばかり見ていないで、まず今いる人を大切にする」との発言には、採用難が続くなか、現役隊員とその家族への支援を重視する姿勢が表れている。新庁構想は、小泉氏が重点的に進める政策の一つでもある。

小泉氏が人員確保策に力を入れる背景には、自衛隊の人的基盤を巡る厳しい状況がある。防衛省の資料によると、2025年度末(2026年3月末)時点の自衛官の現員は約21万7700人で、1981年度以降で初めて22万人を下回った。定員約24万7000人に対する充足率は88.1%で、前年度から約1ポイント低下した。少なくとも1998年度以降で最も低い水準となり、定員を約3万人下回っている。

▶ 続きを読む
関連記事
元海上自衛隊幹部の山本勝也氏は20日、日本は米国と同盟関係にあるものの、中国(中共)が日本の沿岸領土で展開する「グレーゾーン」戦術への対応は、日本が主導しなければならないと述べた。
中共軍の無人機2機が10月19日、沖縄本島と宮古島の間を通過した。同区間の無人機通過の公表は今年度初。16~18日には艦艇7隻も通航し、20日も有人機の飛行が相次いだ。小泉防衛相は無人機への対応の必要性を強調した
2026年度上半期の空自の緊急発進は442回で、前年同期比約67%増。中共機への対応が285回と最多を占める一方、ロシア機への対応は152回と約2.6倍に増えた。北部・西部でも対応が大幅に増加した
防衛省統合幕僚監部は10月14日、中共海軍の空母「遼寧」を含む艦艇計4隻が沖縄本島と宮古島の間を通過し、太平洋へ進出したと発表。石垣島の南約250キロの海域で「遼寧」から艦載戦闘機が発着艦する様子も確認された
小泉防衛相は10月14日の衆院予算委で、中共政府の「新型軍国主義」言説に「核兵器も戦略爆撃機も持っていない国に対し、いずれも持つ国がそう主張する」と指摘。中共政府の言説に「共感する国がいるのか」と疑問を呈した