AI時代の「パイデイア」 ホメロス『オデュッセイア』から考える教育の目的
現代の教育は、副次的な問いに答えることについては、驚くほど巧みになった。生徒にはどのような技能が必要なのか。どのような知識を身につけさせるべきなのか。その成果をいかに測定するのか。標準化されたテストを軸に構成されたカリキュラムは、生徒が二次方程式を解けるか、文章の主題文を特定できるかを測ることができる。しかし、その生徒が何を愛すべきなのか、どのような人生こそ生きるに値するのかについては、ほとんど何も語らない。
古代の世界は、もっと根源的な問いから出発していた。教育とは、いかなる人間を育てるべきなのか、という問いである。
ギリシャ語の「パイデイア(paideia)」は、この壮大な課題を言い表す言葉だった。知的・道徳的・美的・市民的な教育を通じて、人間を教養ある人格へと形成する営みを指す。そのパイデイアの中心にあったのは、教科書でも技術の手引書でもなく、一人の詩人だった。ホメロスである。
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