伝えるのを先延ばしにしないで 「手遅れ」になる前に届けたい言葉

子どもたちが成長していく姿を見ていると、私はよく、年老いた自分がこの年月を振り返っている姿を思い浮かべます。このかけがえのない、あっという間に過ぎ去る時間の中で、何かを後悔することだけはしたくありません。だからこそ、慌ただしく過ぎていく一日一日を、少しでも大切に抱きしめていたいと思うのです。

毎日が忙しく、やるべきことは次から次へとあります。それでも、愛する人たちとの関係以上に大切なものが、本当にあるのだろうかと考えます。家族は、私が愛していることをきちんと分かっているでしょうか。その気持ちに、少しでも疑いを抱いてはいないでしょうか。私は子どもたちに、自分が知っている大切なことをすべて伝えられたでしょうか。

少し前、私は妻と話をし、私たちの結婚が自分にとってどれほど大きな意味を持っているのかを、誤解の余地がないほどはっきりと伝えました。それは私にとって、人生のすべてだということです。少し大げさに聞こえるかもしれませんが、もし私に突然何かあったとしても、妻には私たちの関係について少しの迷いも持ってほしくないと伝えました。たとえ最後の日が最高の一日ではなかったとしても、私たちの愛から生まれた素晴らしい思い出だけを心に残してほしいと願っています。
 

愛する人に伝えたい、心を動かす言葉

愛情や感謝の言葉は、口にしないままになってしまうことがよくあります。「そのうち、ちょうどいいタイミングで伝えよう」と考えてしまうのです。しかし、私は「待たないでほしい」と思います。なぜなら、「もう遅かった」と後悔する日がいつ訪れるかは、誰にも分からないからです。そんな思いから、まだ自分が生きている今だからこそ伝えておきたい言葉について、改めて考えてみました。

あなたが今の私をつくってくれました

人は誰でも、自分の人生には意味があったと思いたいものです。その人があなたにどのような影響を与え、今のあなたという人間を形づくってくれたのかを伝えることで、その人の人生に「意味」という贈り物を届けることができます。

私たちは多くの場合、自分の努力がどのような実を結んだのかを見ることなく人生を歩み続けます。だからこそ、自分の行動が誰かの人生に確かな影響を与えたことを実際に知ることができるのは、大きな喜びであり、祝福でもあるのです。

私はあなたを信じています

人生には、自分自身を信じられなくなる瞬間があります。そんな大切な時こそ、たとえ本人が自分を信じられなくても、あなたがその人を信じることで、大きな力を与えることができます。

あなたの信頼は、その人の自己イメージ(自分自身に対する認識)を変え、高い目標に向かって努力しようという意欲を引き出してくれるかもしれません。

あなたが一生懸命頑張っていることを知っています

私たちは皆、物事がいつも思いどおりに進むわけではないことを知っています。どれほど努力しても結果が伴わないことがありますし、正しいと思って下した判断が、予想もしなかった理由で裏目に出ることもあります。

それでも、周りの人が懸命に努力していることを認め、その努力が表している誠実さや立派な人柄を称えることは、いつでもできます。

あなたがしてくれる小さな気遣いに気づいています

誰もがスマートフォンの画面に目を向けている今の時代、私たちは以前にも増して、お互いに目を向けなくなっているように思います。

その大きな弊害の一つは、見返りを求めることなく私たちのためにしてくれている小さな親切や思いやりに、気づけなくなっていることです。

人は、自分の存在に気づいてもらえるとうれしいものです。特に、自分が最も思いやりにあふれた行動をしている瞬間を見てもらえたとき、その喜びはなおさら大きくなります。

今日一日はどうだった?

この言葉を日頃からよく口にしている人もいるでしょう。しかし、その言葉には、「本当にあなたの話を聞きたい」と相手に伝わるだけの気持ちが込められているでしょうか。

友情にはさまざまな深さがあります。そして、その深い関係は「何を言うか」だけではなく、「どのように伝えるか」によって築かれることも少なくありません。この大きな力を持つコミュニケーションを、まだ実践できる時間がある今のうちに身につけておくべきです。

神様はあなたを愛しています

信仰は、私自身を含め、これまで数え切れないほど多くの人の人生を変えてきました。それほど素晴らしいものを、自分だけのものとして胸の内にしまっておくことに、私はどこか不自然さを感じます。

しかし近年では、信仰を持つ人が減る中で、「相手を不快にさせるかもしれない」という不安から、この大切な部分を人に話すことをためらう人も少なくありません。

けれども、私が実際に経験してきたのは、その逆でした。信仰について押しつけることなく穏やかに語り合うと、その会話は相手の重荷になるどころか、励ましや希望につながることがほとんどだったのです。

私があなたを愛する理由

「愛している」という言葉は、「あなたのどんなところを愛しているのか」を具体的に伝えたとき、より深く心に響きます。

それによって相手は、「誰にでも向けるような漠然とした愛情ではなく、自分という存在だからこそ愛されている」と感じることができます。

私たちは心の奥底で、「ありのままの自分を理解され、その自分を愛されたい」と願っています。それは、人間にとって最も根源的な欲求の一つなのです。

私たちがこうした言葉を伝えずにいる理由の一つは、「まだ時間はたくさんある」と思い込んでいるからです。もし今週が友人と過ごせる最後の一週間だと分かっていたなら、きっと惜しみなく称賛の言葉を贈り、愛情を素直に伝えることでしょう。

しかし、その「最後の一週間」がいつ訪れるのかは、誰にも分かりません。そして、たとえその日がずっと先だったとしても、一緒に過ごせる時間は限られているという意識で日々を生きるなら、人との絆は今よりもさらに深く、強いものになっていくはずです。

(翻訳編集 井田千景)

妻の MollieとともにThis Evergreen Homeでブログを運営し、現代社会でシンプルに、意図的に、そして人間関係を大切にして暮らす経験を共有。