米ドルの紙幣のイメージ図(郭茗/大紀元)

「インフレ鈍化」という幻想 FRBが生んだ金融ファシズムの正体

論評

最新のインフレ統計について、今回もまた「鈍化している」と表現された。これは、状況は依然として悪いものの、以前ほどひどくはない場合に使われる決まり文句になっているようだ。しかし、実際に店で支払う価格とは何の関係もない「温度」を比喩に使うのは適切ではない。もっとわかりやすく言えば、物価は依然として勢いよく上昇し続けており、終わりは見えない。あらゆるものが値上がりしている。ただ、その上昇ペースが以前ほど速くないだけである。

逆の視点から計算すれば、ドルの購買力は依然として低下し続けているとも言える。ドルは全体として2019年当時の価値から最大40%を失っており、特定の分野ではさらに大幅に価値が低下している。これは「リアリティ・インデックス(Reality Index)」による現実的な計算であり、筆者によれば、消費者物価指数(CPI)よりも実際の生活実感をはるかに正確に反映している。CPIには、ヘドニック調整をはじめ、問題の深刻さを見えにくくするさまざまな統計上の手法が用いられているからである。

▶ 続きを読む
関連記事
米中首脳会談は中国優勢との見方を覆し、米国の圧倒的勝利と分析。OpenAIの暴走騒動や米中AI開発競争の激化、米「AI軍」創設宣言が力関係を一変させ、中国を交渉の場へ追い込んだ舞台裏に迫る
国家は永遠ではなくとも、先人から受け継いだ伝統文化や祈りを次代へ手渡す責務は残る。東西の古典や思想を手がかりに、国家崇拝や排外主義に陥らない健全な祖国愛のあり方と、私たちが果たすべき務めを静かに問い直す論考
米中首脳の公式晩餐会には米国の著名経営者が出席した一方、公表名簿に中国企業の経営者は見当たらなかった。筆者は米中対立や党の統制、経営者を取り巻くリスクから、その背景を読み解く
米中首脳会談後、双方が公表した文書には関税やAIを巡る説明に違いが残った。米側だけが記した事項もあり、台湾問題については双方とも言及していない
トランプ大統領が習近平を空港で出迎えた異例の対応。厚遇の一方、米軍基地では軍用機も並んだ。交渉の場づくりから国力の誇示、過去の歓迎への返礼まで、その狙いを五つの側面から読み解く