歩くと股関節が痛いときに 筋肉を整える5つのエクササイズ

ここ数週間、私は患者の一人である「ルース」と、ほとんど成果のないやり取りを続けてきました。彼女はリハビリに来るよう促す私の提案を拒み続けています。これは私だけに対するものではなく、他のすべてのセラピストにも同じ態度を取っています。彼女が一貫して拒否する理由は明確です。立ち上がって歩くと股関節が痛むため、痛みを感じるくらいならベッドにいたいというのです。

若者から高齢者まで、活動的な人もそうでない人も、多くの成人が股関節の痛みを経験しています。股関節周囲の筋肉が弱くなると、アライメント(身体のバランスや骨格の配列)の乱れを引き起こし、それが痛みの原因となることがありますし、単純に不快感をもたらすこともあります。

では、股関節の筋肉をしっかり鍛えていきましょう。

股関節を整える5つのエクササイズ

以下のエクササイズとストレッチは、股関節の機能を整え、日中に痛みを感じる可能性を減らすのに役立ちます。これらは主に筋肉、腱や靭帯(骨と骨をつなぐ組織)の弱さや硬さに焦点を当てており、関節疾患ではなく機能的な問題に対応するものです。これらの運動は私の患者に効果的ですが、ご自身に適しているかどうかはかかりつけ医や理学療法士などの専門家に相談することをおすすめします。

1. 仰向けバタフライストレッチ

一般的な座位でのバタフライストレッチは優れた股関節の開放運動ですが、人によってはやや強度が高い場合があります。仰向けで行うバタフライストレッチは同様に効果的で、より楽に感じる人もいます。

(Ceridwen Hunter/The Epoch Times)

  • ステップ1: 足の裏を合わせて座り、ゆっくりと後ろに倒れます。最初から仰向けに寝た状態でも構いません。
     
  • ステップ2: 脚の筋肉をゆっくりと緩め、膝が床に向かって自然に下がるようにします。
     
  • ステップ3: 無理のない範囲で膝を下げ、その姿勢を30秒間キープします。その後、膝を中央に戻します。
     
  • ステップ4: 30秒キープを1回として、2セット行いましょう。

うまくいかない場合: 膝は無理のない範囲まで開くだけで十分です。無理に押し広げる必要はありません。ストレッチを続けることで自然に緩んでいきます。股関節や脚の付け根に不快感があり膝を支えたくなる場合は、下にクッションなどを置いて支えてください。

おすすめポイント: 深部までしっかり伸ばせるうえ、多くの人にとって取り組みやすい運動です。無理に力を加えず、重力を利用できるのが大きな利点です。

2. 仰向け梨状筋ストレッチ

梨状筋(お尻の奥にある筋肉)が硬く痛みのある人におすすめのストレッチです。仰向けで行うためバランスを取る必要がなく、動きを丁寧にコントロールできます。

(Ceridwen Hunter/The Epoch Times)

  • ステップ1: 安定した床に仰向けになり、右足首を左膝の上に置きます。
     
  • ステップ2: 右足首をそのままにして、両手で左膝の裏に手を回し、太ももを持ちます。ゆっくりと左肩の方向に引き寄せると、右の梨状筋にしっかりとした伸びを感じます。
     
  • ステップ3: 30秒間キープし、お尻の奥の筋肉を緩めてから元の位置に戻します。
     
  • ステップ4: 30秒を1回とし、左右それぞれ3セット行いましょう。

うまくいかない場合: 痛みを感じるまで無理に引き寄せる必要はありません。心地よく伸びる位置でリラックスし、筋肉が緩んできたら徐々に深めていきましょう。

おすすめポイント: 梨状筋にピンポイントで作用し、無理なく行える点が非常に優れています。

3. グルートブリッジ

グルートブリッジは古くから実績のある代表的なエクササイズです。股関節の可動性を高めると同時に、大殿筋(お尻の筋肉)やハムストリングス(太ももの裏の筋肉)など体幹の筋肉強化にも役立ちます。

(Ceridwen Hunter/The Epoch Times)

  • ステップ1: 仰向けになり、腕を体の横に置き、膝を立てて足を床につけます。
     
  • ステップ2: 膝から肩までが一直線になるように体を持ち上げ、30秒間キープします。その後、元に戻します。
     
  • ステップ3: 持ち上げて下ろす動作で1回とし、5回×3セット行いましょう。

うまくいかない場合:  高く上げられない場合はできる範囲で構いません。徐々に筋力は向上します。強度を上げたい場合はキープ時間を延ばしましょう。無理のない範囲で行ってください。

おすすめポイント: ほぼその場で行えるにもかかわらず、非常に高い効果が得られます。

4. チェアスクワット

チェアスクワットは動きをコントロールしやすく、それでいて強度の高い運動です。大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)や臀筋を鍛えるのに効果的で、椅子を使った運動の基本にもなります。

(Ceridwen Hunter/The Epoch Times)

  • ステップ1: 椅子の前方に座り、腕を前に伸ばし、足を腰幅に開きます。
     
  • ステップ2: やや前傾しながらゆっくり立ち上がり、立ち上がると同時に腕を下ろします。
     
  • ステップ3: 完全に立ち上がったら、再び椅子に向かって腰を下ろしますが、完全には座りません。ゆっくり動いて、勢いよく座らないようにします。
     
  • ステップ4: 立ち上がって戻る動作で1回とし、12回×3セット行いましょう。

うまくいかない場合:  完全に座るのが難しい場合は、途中まで下げるだけでも構いません。より強度を上げたい場合は腕を上げたまま行う、回数を増やす、動作をゆっくりにするなどの工夫ができます。

おすすめポイント: 疲れたときはすぐ座ることができるため、安全に行えます。

5. 仰向け股関節回旋運動

仰向けで行う股関節の回旋運動は、関節に潤滑油を与えるような役割を果たします。体重がかからない状態で行うため、安全に可動域を広げることができます。

(Ceridwen Hunter/The Epoch Times)

  • ステップ1: 仰向けになり、膝を曲げて足を肩幅程度に開きます。
     
  • ステップ2: 両膝を右側へ倒し、右脚が床に触れるか近づくまで動かします。両膝が動けるよう、脚の間隔は十分に保ちます。
     
  • ステップ3: その姿勢を10秒キープし、元に戻します。反対側も同様に行います。
     
  • ステップ4: 片側に倒す動作で1回とし、左右それぞれ12回×3セット行いましょう。

うまくいかない場合:  可動域が小さくても問題ありません。最初はできる範囲から始めましょう。クッションなどを置いて床の高さを調整すると、楽にキープできます。

おすすめポイント: 内旋・外旋の動きが他の運動の動き(屈曲・伸展・外転・内転)を補完し、関節をしっかり温めてくれます。

強く安定した股関節を作るためには、これらの運動を週に少なくとも3回、理想的には5回行うことをおすすめします。継続することで股関節の痛みを和らげ、動作時の不快感を軽減できます。ただし、歩行時の股関節・膝・足首・足の痛みには関節疾患などさまざまな原因があることも忘れてはいけません。

動いているときに持続的な関節痛がある場合は、かかりつけ医や理学療法士などの専門家に相談し、さらなる対応が必要か確認してください。ルースのように問題を放置すると、症状が悪化し、最終的に手術やリハビリが必要になることもあります。健康な股関節のために、積極的に対策を取りましょう。
 

フィットネスモデルについて

モデルを務めるエアロウェン・ハンター氏は、The Epoch Times紙の健康担当編集者でありフィットネスモデルでもあります。60代とは思えないほど活力にあふれ、30年以上にわたりヨガ指導に情熱を注いできた認定ヨガセラピストです。

本記事はThe Epoch Times掲載の記事を、許可を得て転載したものです。記事内の見解は著者個人のものであり、編集部の立場を代表するものではありません。

(翻訳編集 井田千景)

主要な医療現場で30年以上の経験を持つ作業療法士である。健康コラムを執筆。