中国江蘇省で日本へ輸出するためのレアアースを積み込むローダー (STR/AFP via Getty Images)

中共の禁輸をよそに 日本のレアアース外交が動き始めた

2026年に入り、中国共産党(中共)はレアアース関連技術を中核とするすべてのデュアルユース(軍民両用品目)品目について、日本の軍事ユーザーや軍事用途、日本の防衛力強化につながる用途や最終ユーザーへの輸出を禁止した。さらに、日本に戦略物資を提供する国にも報復すると警告している。

これは、2010年に起きた対日レアアース禁輸をはるかに上回る措置である。当時の危機を受け、日本はレアアース供給網の見直しを進めた。供給源の多角化、代替技術の研究開発、戦略備蓄、資源リサイクルを通じ、中国産レアアースへの依存度を約90%から現在の約60%まで引き下げた。

とはいえ、依存度がなお60%に上ることは、日本にとって大きな弱点である。中共の狙いが、日本に圧力をかけて譲歩を迫ることにあるのは明らかだ。

▶ 続きを読む
関連記事
中共が加える力が大きくなるほど、日本で生じる反作用も大きくなる。これまでのところ、中共は望みを実現できていないばかりか、逆に少なくとも6つの悪影響をもたらした
外交では、握手と署名が「決着」を意味するとは限らない。同じ合意を、一方は和平と見なし、他方は次の一手のための時間と見ることがある。トランプと習近平は、本当に「同じ取引」をしているのか
米中首脳会談は中国優勢との見方を覆し、米国の圧倒的勝利と分析。OpenAIの暴走騒動や米中AI開発競争の激化、米「AI軍」創設宣言が力関係を一変させ、中国を交渉の場へ追い込んだ舞台裏に迫る
中国共産党では第21回党大会に向けた人事が動き始めている。高級幹部の高齢化と世代の断層を背景に、1970年代生まれの幹部が中央委員会にどこまで進出するのか。習近平体制の人事と有力候補を分析
聖書の「バベルの塔」の物語を手がかりに、AI開発競争を考察。技術や資本の集中、共通基盤への依存、競争から取り残されることへの懸念など、現代のAI開発と物語に共通する構図を探る