眠れないまま天井のファンを眺めていても、何も解決しません。ベッドに何時間も横たわりながら眠れないとき、実は自分自身が覚醒状態を作り出してしまっていることがあります。就寝前にカフェイン入りの飲み物を摂りすぎたり、スマホでネット検索をして脳が休まらなくなっていないでしょうか。
私自身の不眠は、たいてい原因も対処法もはっきりしています。しかし全体として見ると、不眠はアメリカでも深刻な健康問題のひとつです。睡眠科学は奥が深く、新たな発見が次々と生まれている分野でもあります。
以下のエクササイズは、軽度の不眠に悩む方に効果的だと私自身感じているものです。どれも手軽に実践でき、クライアントからも好評です。ただし、自分に合っているかどうか、かかりつけ医などの専門家にも相談することをおすすめします。
眠りを誘う5つのエクササイズ
ウォーキングは、就寝の1時間半〜2時間前に行うのが理想です。体の代謝がいったんピークに達した後、眠るころに自然と落ち着いてくるよう促すためです。残りのエクササイズは就寝直前に行っても問題ありません。最後の3つはベッドの中で行っても大丈夫です。
1. ウォーキング
ウォーキングは、さまざまな不調への対処法のなかでも、私が特におすすめするものです。多くのメリットがあるうえ、心身を落ち着かせる効果も抜群です。
ステップ1: 歩くときは中程度のペースを心がけ、ストレスや雑念にとらわれないようにしましょう。目に入る景色や音、香り、体が動く感覚に意識を向けましょう。
ステップ2: 30分間歩きましょう。ゆっくり深く呼吸しながら、体の緊張を自然にほぐしていきましょう。
うまくできない場合は: 長距離が難しい場合は、無理のない範囲で構いません。歩くことは、眠りに向けて心身を整えるだけでなく、日常生活の動作を維持するためにも大切です。
私のお気に入りポイント: 夕方のゆったりした散歩は心の健康にも効果的で、場所を選ばず実践できるのが魅力です。
2. キャット&カウ(Cat/&Cow)
キャット&カウは、体幹と背骨を使うエクササイズで、背骨まわりの関節や筋肉を無理なくほぐすのに効果的です。
ステップ1: 四つん這いの姿勢から始めます。手は肩の真下に、膝は腰の真下にくるように置きましょう。腕はまっすぐ伸ばしますが、ひじに力を入れすぎないようにします。
ステップ2: 背骨の付け根から動かし始め、尾骨を内側に丸めながら、背骨を一節ずつゆっくりと上へ巻き上げていきます。あごを胸に引き込み、背中全体を天井へ押し上げるようにして丸めます(猫が背中を丸めるような姿勢)。この姿勢を5秒間キープします。
ステップ3: 顎を引いたまま、背骨の一番下から一節ずつ徐々に伸ばします。ドミノが倒れるように一節ずつつながるイメージで、体を長く伸ばすことを意識しましょう。首に達したら、そのまま頭頂まで伸ばし、鼻は正面を向けたままにします。これが「カウ(牛)」の姿勢です。その姿勢を5秒間キープします。
ステップ4: 「キャット(猫)」と「カウ(牛)」の両方の姿勢を行って1回の反復と数えます。12回を1セットとして、3セット行ってみましょう。
うまくできない場合は: 四つん這いが難しい場合は、椅子の端に腰かけ、両手を膝の上に置いて同じように背骨を丸めたり伸ばしたりしましょう。
私のお気に入りポイント: このヨガの動きは、筋肉をしっかり伸ばすだけでなく、「収縮と弛緩」の繰り返しで副交感神経を活性化し、体の緊張をほぐしてくれます。

3. 仰向けの脊椎ツイスト
ヨガでは「スプタ・マツエンドラアーサナ」と呼ばれるこのポーズ、名前は難しいですが、やってみるととても気持ちよいポーズです。キャット/カウが前後の動きなのに対し、こちらは背骨をねじる動きで、胸や首の筋肉のストレッチに効果的です。
練習のコツ: 回復効果が高いポーズなので、就寝前にぴったりです。効果を高めるには、動作中はゆっくりと意識して呼吸することが大切です。呼吸に集中することで、日中の雑念を手放し、深いリラックス状態へと導かれます。
ステップ1: 床またはベッドの上で仰向けになり、両腕を肩の高さでまっすぐ横に伸ばしてTの字の形にします。両脚は力を抜いて、自然にそろえておきます。
ステップ2: ゆっくりと右膝を曲げ、右足を左脚の外側、膝のすぐ上あたりにクロスします。
ステップ3: 左手を右膝の上に置き、その膝をゆっくりと左へ引き寄せながら、腰を回転させます。右膝が床に着くか、肩が浮かない範囲で、無理のないところまで倒します。体が自然にねじれる範囲を超えて引っ張るのは避けましょう。手の重さで軽く添える程度であれば問題ありません。
ステップ4: 頭を右へ向け、無理のない範囲でできるだけ遠くまで回します。その姿勢を30秒から1分ほどキープし、ゆっくりと元の仰向けの姿勢に戻ります。反対側も同様に行います。
私のお気に入りポイント: 胸をしっかり伸ばせるうえに、背骨にもよいストレッチになるのが気に入っています。ねじりの最後の25〜30度はゆっくり丁寧に動かす必要がありますが、終わった後の気持ちよさは格別です。就寝前に心と体を落ち着かせるのに最適なポーズです。

4. 仰向けストレッチ
このストレッチはストレスを大きく和らげ、心地よい眠りへと導いてくれます。
練習のコツ: 動作中につま先を強く伸ばしすぎないよう注意しましょう。こむら返りを起こすことがあります。軽く伸ばす程度であれば問題ありません。頭が壁に当たる場合は、ベッドに対して斜めに寝ると無理なく伸ばせます。
ステップ1: 仰向けに寝て、脚はそろえて伸ばし、体をできるだけ長く伸ばすイメージで、腕を頭の上にまっすぐ伸ばします。
ステップ2: 手を上へ、足を下へ、それぞれ反対方向にできるだけ伸ばします。体全体を一度に引き伸ばすイメージです。動きは小さくても、全身がしっかり伸びているのを感じられるはずです。
ステップ3: 伸びの姿勢を5秒間キープし、その後筋肉をリラックスさせます。その間も呼吸を忘れずに行ってください。
ステップ4: ストレッチしてからリラックスする動作を1セットとします。これを5回繰り返してみましょう。
うまくできない場合は: 腕が頭の上まで届かない場合は、無理をせずにできる範囲で腕を上げましょう。その際は肩を伸ばすイメージで行ってください。動きは小さいながらも全身を使うため、コツをつかむには少し時間と丁寧な意識が必要です。
私のお気に入りポイント: このエクササイズはどこでも行えますが、特に良いのは、眠る直前にそのままベッドの中でできるところです。

5. ボックス呼吸法
眠りの準備に役立つ呼吸法はいくつかありますが、なかでもこの方法は心身を落ち着かせ、頭をすっきりさせるのにとても効果的です。
「ボックス呼吸法」という名前は、頭の中で四角い箱を思い描き、その辺をなぞるように呼吸するところから来ています。
練習のコツ: 座ったままでも行えますが、就寝前であればベッドに横になって行うのがおすすめです。ここまでのエクササイズで体は眠る準備が整っています。あとは呼吸に意識を向けながら、その効果をゆっくり感じましょう。
ステップ1: 普段寝ている姿勢でベッドの中に入り、楽な体勢をとります。5分ほどそのまま休み、体を落ち着かせ、呼吸が自然なリズムに戻るのを待ちましょう。
ステップ2: 4つ数えながら、ゆっくり深く息を吸います。息を吸う間は、箱の左側を上へとたどるイメージを思い浮かべましょう。次に、息を4秒間止めます(喉を締めないように注意)。その間、箱の上辺を横に移動するイメージを描きます。
ステップ3: 次に、4秒かけてゆっくり息を吐きます。その間、箱の右側を下へとたどるイメージを思い描きましょう。息を吐ききったら、もう一度4秒間息を止めながら、箱の下辺を横に移動するイメージを描きます。
ステップ4: 箱の四辺をたどる呼吸を1周とし、10回を目安に繰り返しましょう。体調や感覚に合わせて回数を調整しても構いません。
うまくできない場合は: 4秒間息を止めるのが難しい場合は、3秒または2秒に短くしてみましょう。息を止めること自体がつらい場合は、「ペース呼吸」に切り替えてみましょう。4秒で吸って4秒で吐く。それを繰り返しながら、心を静かに落ち着かせていきましょう。
私のお気に入りポイント: 「呼吸するだけ」というシンプルな方法でも、体の緊張や脳の興奮状態を確かに変えてくれるため、眠りへとスムーズに移行するのにぴったりです。
これらのエクササイズに加えて、ピラティス・ヨガ・太極拳・ストレッチなども効果的です。環境が整えば水泳も、ウォーキングと同様に体を休息モードへ導いてくれます。
これらのエクササイズが、皆さんの睡眠の質を高める助けになれば幸いです。それでも睡眠の悩みが続く場合は、一度医療機関に相談してみましょう。きっとあなたに合った解決策が見つかるはずです。
この記事で表明されている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
(翻訳編集 山本 拓)
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