「気候緊急事態」と書かれたバナーボードを持つ女性。2020年1月17日の豪州での気候変動抗議活動にて (Joe Raedle/Getty Images)

「崩れゆくグリーン・ウォール」 気候変動会議で専門家らが気候リアリズムを議論

私のキャリアの中で出席してきた数百もの会議の中でも、4月8日と9日にワシントンD.C.で開催された第16回「気候変動に関する国際会議」は、間違いなく最高のものの一つであった。数十に及ぶプレゼンテーションは十分に調査されており、テーマに即しており、内容、ユーモア、そして見せ方のバランスが絶妙であった。

そう、「見せ方(ショーマンシップ)」だ。これほど熱のこもった会議において、それは重要なスキルである。2日目の締めくくりの夕食会で基調講演を務めたマーク・モラノ氏を例に挙げよう。ワシントンD.C.を拠点とする保守系シンクタンクCFACT(Committee for a Constructive Tomorrow:建設的な明日のための委員会)が運営する、気候変動に関するニュースサイト「Climate Depot」の創設者であり、2021年の著書『Green Fraud(緑の詐欺)』の著者でもあるモラノ氏には、他者の追随を許さないほど聴衆を惹きつける能力がある。

彼が話を始めたとき、私や周囲の数人は、長時間の会議による疲れが見え始めていた。しかし、気づけば30分が経過しており、モラノ氏の講演が終わる頃には、誰もが疲れを忘れていた。彼は「さあ、楽しもうじゃないか」と宣言してスピーチを始めたが、まさにその通りの時間となった。

▶ 続きを読む
関連記事
「臓器提供による安楽死」という衝撃的な提案の背景には、移植医療のために「死の定義」を都合よく書き換えてきた歴史がある。生物学的には生きている人間からの臓器摘出という、医療倫理の暗部と欺瞞を鋭く告発する
中国の輸出急増と貿易黒字拡大を受け、米欧など世界的な反発が強まっている。関税逃れのためのサプライチェーン迂回や見せかけの脱中国化が進む中、過剰生産を世界に押し出す中国の経済モデルへの圧力が本格化している
G20で際立った各国の「対中包囲網」。安価な輸出攻勢や人民元の過小評価に対し、世界が突きつける厳しい視線と協調の課題、そしてかつてのプラザ合意の再来を模索する国際社会の動向を読み解く
孔子が説く「好学」の真意を『論語』学而篇第十四章から読み解く。学ぶことの本来の喜びとは何か。物欲や名利にとらわれず、徳を修め日々自らを正す楽しさを見出すことこそが真の学びであると伝える、深い示唆に富む解説
防衛省の沿岸防衛構想「SHIELD」を巡り、米ボーイングが無人戦闘機MQ-28を日本に提案する方針を示した。導入は未定だが、実現すれば南西諸島の監視や日米豪の連携に新たな選択肢となる