なぜ中国共産党の「レアアース」カードは長続きしないのか
中国共産党は、地政学的な脅迫手段として、重要鉱物やレアアースというカードを頻繁に切るようになっている。このカードを使えば米国とその同盟国を制約できると考えているのだ。しかし専門家は、レアアースのサプライチェーンを分解してみれば、中国共産党の優位性は技術によるものではないことが分かると指摘する。
中国共産党がレアアース分野で一時的に主導権を握っているのは、主に安価な労働力、環境汚染の放置、そして、地方政府が本来企業が負担すべき環境対策費や健康被害への補償といった『負の遺産』を、長年容認・負担し続けてきた結果である。この発展モデルは、目先の利益のみを追った非効率なものであり、一時的に世界のサプライチェーンを混乱させることはできても、相手を永続的に屈服させるような戦略的ツールにはなり得ない。
米国ジャック・D・ゴードン研究所(Jack D. Gordon Institute)の研究員、葛静(Ge Jing)氏は『ザ・ディプロマット(The Diplomat)』に寄稿した最新の分析記事の中で、中国共産党のレアアースカードにはネオジム、プラセオジム、ジスプロシウム、テルビウム、ランタン、セリウムなどの元素が含まれていると指摘した。ガリウムは厳密にはレアアースではないが、これも重要鉱物として利用されている。
関連記事
中国の10月の大型連休で、各地で数時間の充電待ちが発生し、最長7時間待った例も。充電器の増設が進む一方、需要の集中や設備投資の偏り、業界の過当競争など構造的な問題が浮上
中国経済は「日本化」に向かうのか、それとも「ソ連化」に向かうのか。近年、両説にはそれぞれ支持者がいたが、今、新たに第3の可能性として「ソ連式日本化」が浮上している
中国の2026年第3四半期GDP成長率は4.4%と予測され、年間目標の下限を下回る見通しだ。半導体やAIが伸びる一方、内需や不動産は低迷。IMFは資本配分の偏りが生産性の伸びを抑えていると指摘
中国共産党の機関紙が10日連続で中国経済に関する署名記事を掲載した。内需や消費の弱さを認める一方、分析では「9・29」景気刺激策の効果は限定的で、短期的な大規模追加策の可能性も低いとの見方が出ている
中国で銀行再編が加速している。2025年には670を超える銀行が閉鎖され、銀行数は4年間で23%減少。不動産不況や低金利、デフレに加え、3兆ドル規模ともされる「隠れ不良債権」が地方銀行の経営を圧迫