トランプ米大統領は2026年2月24日、ワシントンの連邦議会議事堂内にある下院本会議場で、上下両院合同会議に出席し、一般教書演説を行った(Kenny Holston-Pool/Getty Images)

米 対イラン制裁を強化 トランプ氏「テロ政権の核保有認めず」

第3回核協議を前に、アメリカはイランへの圧力を一段と強めている。中東への増派を進める一方、イランに対する大規模な制裁も打ち出した。トランプ大統領も一般教書演説で繰り返しイランに言及し、アメリカはイランのテロ政権による核兵器保有を決して認めないと改めて強調した。

2月24日、トランプ米大統領は一般教書演説で、米軍の「ミッドナイト・ハンマー作戦」によってイランの主要な核施設が破壊されたあとも、イランは立て直しを図っていると指摘した。そのうえで、欧州や米軍の海外基地を脅かすミサイルをすでに開発しており、さらに米本土に届く長距離ミサイルの開発も全力で進めていると述べた。

トランプ氏は「われわれは彼らと交渉している。彼らは合意を望んでいるが、われわれはまだ、あの決定的な一言を聞いていない。『われわれは決して核兵器を保有しない』という約束だ」と語った。

さらに、「私の第一の選択は、外交を通じてこの問題を解決することだ。だが、これだけは断言しておく。世界最大のテロ支援国家が核兵器を保有することなど、私は絶対に容認しない。そんな事態は決して起こさせない」と強調した。

トランプ氏は、イランのイスラム主義政権が数千人の米兵を殺害し、さらに数百万人の一般市民の命を奪ってきたと非難した。

「47年前にこの偉大な国の支配権を奪って以来、イラン政権とその殺人の手先が広めてきたものは、テロ、死、そして憎悪だけだ」と述べた。

さらに、「ここ数か月の抗議活動だけでも、彼らが殺害した抗議者は推定3万2千人に上る。3万2千人の自国民だ。彼らは銃殺され、あるいは絞首刑に処されたのだ」と批判した。

25日、米空母「フォード」は引き続きギリシャ・クレタ島の米海軍基地に停泊していた。この世界最大の空母は今後、中東へ向かい、すでにアラビア海に到着している「リンカーン」空母打撃群と合流する見通しだ。

同日、米財務省は、イランの「影の船団」や、弾道ミサイルおよび通常兵器の開発を支える供給網を標的に、30人以上の個人や関係組織、船舶に制裁を科した。これらの対象が、イランによる違法な石油販売や、弾道ミサイルと先進通常兵器の生産を支援していたとしている。

財務省は声明で、これらのネットワークがイラン革命防衛隊やイラン国防軍需省に対し、弾道ミサイルやその他の兵器の製造に必要な前駆物質や機械設備の調達を支援していたと説明した。

さらに、イラン政権に対する「最大限の圧力」政策の一環として、米中央情報局(CIA)はこのほど、SNSを通じてイラン国内の協力者候補に向け、安全な手段で米側に連絡する方法を示した。

投稿はペルシャ語で、「こんにちは。CIAはあなたたちの声に耳を傾けており、支援を提供したいと考えている」と呼びかけている。

この動画は現在、各プラットフォームで合わせて数千万回再生されている。

25日、ドイツのワーデフール外相が、イラン核問題をめぐる英仏独3か国の立場はアメリカと一致していると表明した。具体的には、イランに対し、核兵器開発計画の放棄、ミサイル計画の停止、テロ組織への支援停止を求めており、あわせてアメリカとの合意に応じるよう促した。

ワーデフール氏は「イランが冷静に情勢を分析すれば、先に挙げた3つの点についてアメリカの要求を受け入れざるを得ないことを理解すべきだ。これはヨーロッパの期待でもある。なぜなら、われわれも同じ脅威に直面しているからだ。イランはハマス、ヒズボラ、フーシ派への支援をやめなければならない」と述べた。

米欧の圧力が強まる中、イランのペゼシュキアン大統領は同日、イラン代表団がすでにジュネーブに向けて出発したと明らかにし、アメリカとの第3回核協議の成果に期待を示した。

米政府高官は23日、ウィトコフ特使とトランプ大統領の娘婿クシュナー氏が26日にジュネーブでイラン側代表と会談し、イラン核問題をめぐる新たな協議に入ることを確認した。

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