圧力が裏目に 中共の「経済の武器化」が日本の脱中国を加速か
中国共産党(中共)商務省が24日、「国家安全と利益の維持」を理由に日本の企業・団体20社を輸出管理の規制対象リストに追加した措置を巡り、ジャーナリストの矢板明夫氏は26日、自身のX投稿で、日本への圧力を狙った今回の中共の対応が結果として自国の立場を弱めると述べている。
規制リストの対象には三菱造船や川崎重工の関連会社、日本電気(NEC)関連のほか、防衛大学校や宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが含まれている。これに対し、矢板氏は今回の措置について、日中摩擦の激化という側面はあるものの、日本に対する実質的な経済的打撃よりも中国側の政治的姿勢を示す意味合いが強いと指摘。中国はこれまでも日本産水産物の輸入制限やレアアース輸出規制など、経済的手段を通じて政治的不満を表明してきた経緯がある。矢板氏は、こうした「経済の武器化」は短期的には圧力として機能するものの、長期的には逆効果を生み出していると分析する。
その背景として挙げられるのが、外資企業の中国離れとサプライチェーン再編の進展である。政治的報復や輸出規制が積み重なったことで、投資家の間では中国市場の政治的リスクを軽視できないとの認識が広がった。日本企業の間でも中国市場のリスク再評価が進み、生産や投資を東南アジアやインド、日本国内へ分散する「チャイナ・プラス・ワン」の動きが本格化している。矢板氏は、今回の規制措置がこうした脱中国の潮流を逆に加速させる要因になっているとみる。
関連記事
習近平がトップに就任して約14年、汚職対策などで792万2千人を処分した。当局は反腐敗運動の成果を強調する一方、依然として情勢は厳しいと説明。ネット上では制度そのものへの批判が相次ぐ
中国共産党高官の私的交流への規制が強まっていると、党指導部に近い消息筋が証言した。引退した最高指導部メンバー同士の通話にも届け出が必要だという。内部規制の存在や適用範囲は独自に確認できていない
中国共産党は29日、北京で4日間開いた第20期中央委員会第5回全体会議で、張昇民・中央軍事委員会副主席(68)を政治局員に選出した。来年後半の党大会を控え、軍中心に前例のない規模の粛清が続くなか、空席ポストを埋めた
習近平が中共五中全会後、自ら抜擢した高官を粛清する可能性が浮上。北京の消息筋が党内の権力闘争や次期人事を語った
習近平が自ら選んだ高官も次々失脚。反腐敗運動への異論が党内で浮上し、専門家は汚職を生む体制そのものに問題があると指摘