1月31日、日英首脳は東京で会談した(首相官邸)

日英首脳会談 重要鉱物の供給網強化 防衛協力を深化

1月31日、日英首脳は東京で会談し、世界的なサプライチェーンの不安定化や地政学的リスクの高まりを踏まえ、重要鉱物分野を含む供給網での協力を強化し、経済と安全保障の両面での強靱性を高めていくことで一致した。

イギリスのキア・スターマー首相は1月31日、東京で高市早苗首相と会談した。スターマー氏にとって今回が2024年7月の就任後、初の訪日となり、東アジア歴訪の最終訪問地でもあった。両首脳は会談後の共同記者会見で、サイバーセキュリティや宇宙分野など先端領域での協力を深めるとともに、新たな協議メカニズムを設けることで合意したと明らかにした。

高市氏は、日英協力が新たな深化段階に入ったとの認識を示し、従来の安全保障分野に加え、新興技術分野でも協力を全面的に拡大し、変化する安全保障環境に対応していく考えを強調した。

また両国は、外務・防衛閣僚会合「2プラス2」を本年中に開催し、安全保障政策の連携を一段と強化することを確認した。

高市氏は記者会見で、「日英の協力を更なる高みに引き上げ、これからの時代における両国の協力を一層深化させていくことで一致した。キアからは、『チェッカーズ』と呼ばれる英首相公式別荘への御招待を頂いた」と述べた。

さらに、志を同じくする国々が連携し、サプライチェーンの安全性と強靱性を高める必要性を指摘。特に重要鉱物については、「経経済安全保障パートナーシップの文脈では、重要鉱物の輸出規制への国際社会の懸念が高まる中で、重要鉱物を含むサプライチェーン強靱化のために同志国全体で連携していくことが急務であるということで一致した。今、やるべきことを日英で力強く推進していく」と訴えた。

一方、スターマー氏は、「自由で開かれたインド太平洋」への関与を重視するイギリスの立場を改めて強調した。

スターマー氏は「日英は両国は誇りある貿易国家であり、激動の世界でも企業が繁栄できるよう、自由かつ予測可能な貿易と自由で開かれたインド太平洋の維持に明確な利害関係を有している」と述べた。

このほか、日本、イギリス、イタリアの三か国は、次世代戦闘機の共同開発計画を加速させ、2035年までの配備を目指す方針を確認した。この計画は、三か国による防衛産業協力の象徴的なプロジェクトと位置づけられている。

関連記事
2026年5月、広島市で32年ぶりとなる「第48回南極条約協議国会議(ATCM48)」が開催される。気候変動や活発化する南極観光活動への対応など、未来志向の南極条約体制強化に向けた議論が行われる
国連で進む沖縄の「先住民族」認定と植民地化工作に対し、日本沖縄政策研究フォーラムがジュネーブで真実を訴えた報告会の内容を詳報。特定勢力の狙いと、日本の主権を揺るがす脱植民地化特別委員会(C24)を通じた新たな危機に迫る
政府は4月21日午前の閣議と国家安全保障会議(NSC)で、防衛装備移転三原則と運用指針を改定。これまで厳しく制限してきた殺傷能力を有する装備品についても、一定の条件下で輸出を可能とする方向へと大きく舵を切る
4月21日に行われた高市首相とシェインバウム大統領の電話会談では、中東情勢を受けたエネルギー供給の協力や、豊富な鉱物資源をめぐる経済安全保障の新たな対話枠組みといった重要テーマが話し合われた
中国が東シナ海の日中中間線西側で新たな構造物の設置を開始したことが確認され、日本政府は強い抗議を表明した。東シナ海では排他的経済水域(EEZ)や大陸棚の境界が未画定のままで、中国が一方的な開発を進めていることについて、日本政府は「極めて遺憾」としている。