人民元がドルに取って代わる未来はやってくるのか
中国人民銀行(PBOC)が人民元の対外価値を引き上げる動きを進める中で、中国共産党政府が中国通貨に、より広範な国際的役割を持たせようとしていることは明白だ。
中国共産党(中共)の習近平は、人民元が現在、国際取引と価値保存の主要手段として揺るぎない地位を占めるドル、すなわち銀行家や経済学者が「世界の準備通貨」と呼ぶ役割に挑戦できるだけの地位を獲得することを望んでいることを、これまでに幾度となく示唆してきた。将来、人民元がドルに取って代わる可能性はあるが、その取り組みには長い時間を要するのは確実であり、その間、中国は代償を負うことになる。
中共政府は2009年、中国の一部輸出業者に対し、ドルではなく人民元での決済を認めたことを契機に、この取り組みを開始した。以降、中国は主に「一帯一路」構想を通じ、輸出入の双方で人民元の利用を拡大してきた。最近では、国有の中国鉱物資源集団が、オーストラリアのBHPグループからのドル建て出荷の受け取りを一時停止するよう購入者に求めたことが、継続する取り組みの兆候として浮上した。これと並行し、中国人民銀行は、人民元の対外価値を引き上げることで「人民元の国際化を促進する」と表明した。
関連記事
米中首脳の公式晩餐会には米国の著名経営者が出席した一方、公表名簿に中国企業の経営者は見当たらなかった。筆者は米中対立や党の統制、経営者を取り巻くリスクから、その背景を読み解く
米中首脳会談後、双方が公表した文書には関税やAIを巡る説明に違いが残った。米側だけが記した事項もあり、台湾問題については双方とも言及していない
米中首脳会談で延長の「貿易休戦」。だが、レアアース問題は解決していない。米欧が供給網を再構築するまで数年を要する一方、北京はなお輸出管理を交渉材料にできる。2027年1月10日までの「時間」をめぐる競争が始まった
トランプ大統領が習近平を空港で出迎えた異例の対応。厚遇の一方、米軍基地では軍用機も並んだ。交渉の場づくりから国力の誇示、過去の歓迎への返礼まで、その狙いを五つの側面から読み解く
米国で進む「未婚化」。18~39歳男性では、未婚者が既婚者のほぼ2倍に達した。なぜ米国人は結婚しなくなったのか