ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領(中央)が2023年9月14日、北京の同国大使館を出る(Pedro Pardo/AFP via Getty Images)

マドゥロ大統領拘束 中共の経済・通貨戦略に大打撃

米軍がニコラス・マドゥロ大統領を拘束したことで、世界中で戦略の見直しが余儀なくされている。ヨーロッパ、中東、アジア、とりわけ中南米諸国の政府や企業の指導者たちは、軍事、外交、経済、金融の各分野における計画を再考せざるを得なくなった。

とりわけ大きな打撃を受けたのが中国だ。経済面だけでなく、中国共産党のトップである習近平が掲げてきた人民元の世界的覇権という野望にも狂いが生じている。事態が落ち着くまでには時間がかかりそうだが、中国が直面する問題のいくつかはすでに明らかになり始めている。

マドゥロ氏拘束作戦や、彼に突き付けられた刑事責任については、すでに多くの論評がなされており、ここで繰り返す意味はない。中国共産党(中共)政府が今後どのような軍事・外交行動に出るかについての推測も、専門家に委ねるべきだろう。しかし、最近の一連の出来事が、中共の経済・金融・通貨戦略をいかに揺るがしたかについては、語るべきことが多い。

▶ 続きを読む
関連記事
トランプ流の過激な交渉術「取引の極意」は単なる暴言か、それとも高度な外交戦略か。パナマ運河やグリーンランド、NATOなどの具体例から、摩擦を生みつつも成果をもたらす独自の交渉スタイルの本質と成否に迫る
IMFは中国の経済成長率見通しを下方修正した。不動産市場の低迷や消費・民間投資の弱さが続く一方、中国経済は輸出への依存を強めている。EUとの貿易摩擦や「中所得国の罠」など今後のリスクを読み解く
少子化対策は給付金だけで十分か。人口減少を単なる家計や労働力の問題にとどめず、歴史と文明の危機として捉え直す。近代の個人主義を見つめ、家族を公共善として次世代へ命と文化を継承する倫理を問う論考
中共空軍が初めて海外に基地を設置した。中共軍は、東南アジアのラオスの首都ビエンチャンから北へ約48キロのバンクン空港に、「中国・ラオス共同支援訓練センター」を設置した。
米国とオーストラリアが共同開発する極超音速巡航ミサイルHACMが初の試験投下を実施。スクラムジェットの仕組みや開発遅延、コスト、中共のA2/AD戦略への対抗手段としての役割を解説する