中国警察 Getty Images

【分析】なぜ中国共産党はサンフランシスコ平和条約を否定するのか

中国共産党外交部の報道官が数日間にわたり、サンフランシスコ平和条約(1951年)の合法性を否定し、国際法上の効力を持つのはカイロ宣言とポツダム宣言であると強調したことが、国際社会や法学界で議論を呼んでいる。日中間で「台湾有事」をめぐる外交的緊張が高まるなか、事態は新たな局面に入った。

先月11月26日、高市早苗首相が、日本はサンフランシスコ平和条約に基づき、台湾に関するすべての権利を放棄しており、台湾の法的地位について「認定する立場にはない」と発言したことに対し、中国共産党(中共)外交部は翌日からこの認識を「誤りだ」と批判を繰り返している。

中共外交部の報道官がサンフランシスコ平和条約を「違法・無効」とする主な論拠は、第二次世界大戦の主要当事国である中国とソ連を排除した形で日本との講和が進められ、1942年に26か国が署名した「連合国共同宣言」に反したという主張である。また報道官は、高市氏が「完全な国際法上の効力を有する」とされるカイロ宣言とポツダム宣言に触れず、サンフランシスコ平和条約のみを強調したと批判している。

▶ 続きを読む
関連記事
チベットで発生した大規模な土石流で多数の死者と行方不明者が出ている。法学者の袁紅氷氏は、中共による「略奪的な資源開発」がチベットの生態環境や災害リスクを悪化させていると批判
ネパールとチベット国境で発生した大規模土石流をめぐり、両国の情報公開に大きな差がみられる。中共は現場映像の削除や外国人記者の取材制限、「正能量」を強調する報道が指摘されている
中国の人権派弁護士、王夏紅氏が家族とともに台湾で庇護を求めた。シオン教会の弁護を担当したことで中共当局から圧力を受けており、台湾当局は一家4人に「人道的滞在」を認めた
約50日の間に3つの台風が浙江省玉環市付近に相次いで上陸し、中共海軍基地周辺を襲った。異例の進路や記録的な長寿命、上海の豪雨など、相次ぐ異常現象を追う
すでに熱帯低気圧にまで勢力を弱めていた台風18号ソウデルが再び台風の勢力に戻り、中国に3度目の上陸を果たした