2016年6月28日、パリで行われた労働改革の一連の施策に反対する抗議デモ(Thomas Samson/AFP via Getty Images)

嫉妬 社会主義の核心に潜む腐食的な道徳の腐敗

■論評

嫉妬は社会主義を動かす原動力である。それは一種の精神的な麻薬であり、人々に対して、自分より多くの富を持つ者を憎むよう仕向ける。例えその富の所有者が、嫉妬する者たちに対して何ひとつ害を加えたことがなくても、である。

その憤りはしばしば、完全な憎悪へと転じ、それに影響された者を蝕んでいく。アレクサンドル・ソルジェニーツィン(20世紀のソ連の反体制派作家)がかつて述べたように、「他人への嫉妬こそ、最も我々自身を食い尽くすものである」

中世ヨーロッパにおいて、富める者を憎むことは理解できたかもしれない。当時の富の持ち主は、莫大な土地や資源を独占していた世襲の君主や貴族たちであり、彼らの富は政治権力の独占と一体化していたからだ。

▶ 続きを読む
関連記事
戦争がトランプ政権の予想ほど順調に進んでいないことは、ほぼ疑いない。また、11月の中間選挙までに米国が明確かつ完全な勝利を収められないことが、イラン政権にとって大きな勝利になると考えるなら、それは正しい。しかし…
AIは人間の思考をどこまで代替できるのか。実はこの問いに通じる問題を、プラトンは2千年前、「文字」をめぐって考えていた。技術が進歩するほど、人間に残すべきものは何なのか。AI時代をプラトンから考える
言葉が喉まで出かかっているのに思い出せない。会話や対面交流の減少は、私たちの語彙力にどう影響するのか。研究を交えながら、失われた言葉を取り戻す方法を考える
姿を見せないイラン最高指導者モジタバ。生死不明の傀儡を擁立し、誰も異論を唱えられない異様な状況を作り出すことで自らの絶対的権力を誇示する革命防衛隊バヒディ総司令官――独裁体制が抱える暗部に迫る
軍も産業もエネルギーなしには動かない。脱炭素を急ぐEUと、エネルギー・産業基盤を確保する中国共産党。その差が、ヨーロッパの防衛力と戦略的自立を左右している