(Shutterstock)

免疫力を高める昔ながらの知恵:きのこ入り鶏スープ

秋が終わり冬が始まるころは、インフルエンザや風邪が流行しやすく、呼吸器が弱まりやすい時期です。誰もが体調を崩さないようにと、自然に「免疫力を高めたい」と思うようになります。これは人間の本能的な自衛の働きであり、実は古くから伝わる養生の考え方と同じなのです。

では、どうすれば免疫力を高められるのでしょうか? その答えは、季節に合わせた食べ方をすることにあります。昔から人々が食べてきた家庭料理には、ただおいしいだけでなく、長い年月をかけて磨かれた「自然に順応して体を整える」知恵が詰まっています。

中国最古の医学書『黄帝内経・四気調神大論』には、「人は四季の変化に合わせて心身を調えることで、陰陽のバランスを保ち、臓腑の働きを整える」と書かれています。そしてその中に、「賢者は病気を治すのではなく、病気になる前に防ぐ」という有名な一節があります。

▶ 続きを読む
関連記事
腎を補う前に――まず胃腸を整える 冬は「水の季節」とされ、体の中では「腎」に関係が深い時期です。ですから冬にな […]
立冬は肺が弱まり腎が冷えやすい季節。今年は金気が不足し肺の働きが乱れやすいため、五臓の調和が重要です。白菜や豚肉を使った温かい料理で脾と腎を温め、気血の巡りを整えましょう。
秋冬は湿気と乾燥が重なり、脾胃と肺が弱りやすく便秘が増える季節。セロリは気の巡りを促し、エリンギは腸を潤し、牛肉は胃腸を温める食材。三つを組み合わせることで、気血が整い、自然な排便リズムが戻ります。
シソは胃腸を整え、体を温め、風邪や寒さから身を守る力を高めます。特に朝に食べると、体の陽気が自然に立ち上がり、秋冬の風邪予防に効果的。朝食に取り入れたい伝統の養生法です。
中医学の養生は、体を自然界のように調和させる「気候調整」の学問。五行の働きが乱れると病が生じ、整えば健康が戻る。季節と連動した「人体の気候」を理解することで、日々の食と生活に新たな視点が生まれます。