特殊詐欺帝国を築いた陳志 権力と黒い金の構図
カンボジアを拠点とする中国資本の企業「太子グループ(プリンス・ホールディング・グループ)」と、その創業者・陳志が、米ニューヨーク東部地区連邦検察庁により起訴された。表向きは不動産や金融投資事業を掲げながら、実態は世界規模の特殊詐欺とマネーロンダリングを展開していたとされる。調査報告および米司法当局の訴追資料からは、中国共産党公安部高官との癒着、そして「黒い金のネットワーク」の存在が浮かび上がる。
2025年10月14日、米ニューヨーク東部地区連邦検察庁は、太子グループとその創業者・陳志を起訴した。
罪状は特殊詐欺、マネーロンダリング、強制労働であり、全ての罪状で有罪と認定された場合、最長で40年の禁錮刑が科される見通しである。
同時に米司法省は、陳が保有していた約13万枚(約150億ドル相当)のビットコインを押収した。暗号資産としては史上最大規模の差し押さえである。英国当局もロンドン市内の19物件を凍結した。
関連記事
海底ケーブル切断リスクに備え、宇宙空間に「バックアップのインターネット」を築こうとするガンリー氏。中国共産党との法廷戦、企業への圧力の実態に迫る
米主要大学で中国共産党の「海外党支部」設立が進行。秘密ネットワークを通じ、イデオロギー浸透や安全保障上の懸念が高まっている。
中国共産党による文化的浸透が日本社会に深く入り込んでいる。全国に広がる友好都市提携や孔子学院、国費留学生制度などを通じて、地域社会から学術界に至るまで影響力を強めており、長年日中文化交流に携わった画家は「日本は世界で最も深刻な浸透を受けている」と警鐘を鳴らしている。
米国のシンクタンクがサンフランシスコに拠点を置く能源基金会が、「米国のグリーンエネルギーへの移行を加速させ、中国へのエネルギー依存を高めている」「米国の政策立案者は深刻な懸念を抱くべきだ」と報告している。