カール・マルクス (Photo by Thomas Lohnes/Getty Images)

もし社会主義者が本当に「社会主義」を理解していたら

米ニューヨーク市では最近、大きな動きが見られた。予備選では「民主社会主義者」を自評するゾーラン・マムダニ氏が市長候補として台頭し、バーニー・サンダース氏やアレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏も全米で積極的に活動している。さらに、オカシオ=コルテス氏が2028年の民主党大統領候補になる可能性は、わずか1週間で倍増した。

こうした動きは、社会主義的レトリックが米国政治で勢いを増していることを示している。ピュー・リサーチ・センターの調査でも、18〜29歳の約36%が社会主義を肯定的に捉えており、社会主義の理念や実態について正確な理解を促す教育の重要性が高まっている。

20世紀で最も影響力のあった経済学者・政治哲学者の一人でありノーベル賞受賞者でもあるフリードリヒ・ハイエクはかつて「もし社会主義者が経済学を理解していたら、彼らは社会主義者ではないだろう」と述べた。その見識を踏まえれば、「もし社会主義者が社会主義を理解していたら、彼らは社会主義者ではないだろう」と付け加えたい。

▶ 続きを読む
関連記事
AI業界が求める法規制の裏には、過去の巨大産業と同様に市場を寡占化し参入障壁を築く思惑が潜む。真の危機はSF的破滅ではなく「人間の知性や教育の崩壊」であり、法規ではなく現場での向き合い方が問われている
「世界を一つに」という甘い理想は、いかにして支配や画一化へと変質するのか。「八紘一宇」の光と影、そして現代のグローバリズムがもたらす同質化の脅威を鋭く突く。日本の針路を問い直す、必読の論考
曾祖父から譲り受けた米国債の思い出を機に、難解な現代金融システムの真実に迫るエッセイ。国債やレポ市場、銀行の信用創造、ドルの価値が薄まる本質を、実体経済と市民の視点から平易に解き明かし、財政のあり方を問う
ポルノやゲームなどのテクノロジーが手軽な「報酬」を与え、若者が大人の男になるための成長の原動力を奪っている。仮想空間の安楽さから抜け出し、現実の困難や責任に立ち向かう勇気を持つよう呼びかける力強い論考
最先端の農業技術とは、新たな機械ではなく自然の摂理そのものである。最新研究をもとに、土壌の炭素貯蔵と豊かな生態系を回復させ、収益性と地球環境の再生を両立する「再生型農業」の真価を問い直す一編