2022年11月27日、北京で中国当局の厳格なゼロコロナ政策に抗議するデモの中、検閲に抗議して白紙を掲げる人々(Kevin Frayer/Getty Images)

中国における「社会工作」に対する中国共産党の掌握

■評論

比較的新しい中国共産党(CCP)の機関である「中央社会工作部(CSWD)」が注目を集めている。

CSWDは2023年に設立されたが、これは明らかに中国におけるCOVID-19パンデミックのロックダウンや経済減速に対する地方の抗議活動への対応であった。表向き、中国共産党(中共)はCSWDを「国家の社会統治を近代化し、国民からの苦情や提案により適切に対応する」ために設置したと説明している。また、個々の陳情者を含む国民の意見をより幅広く吸い上げることも目的としていた。

しかし、独立系の分析者やエポックタイムズはすぐに、CSWDの主要な目的が、中共による中国社会への支配強化にあると指摘した。その手段として、個人レベルでの監視、買収、そして取り締まりが用いられている。必要に応じて、社会改革は個々人からの不満への対応ではなく、中共が自ら主導する取り組みであるかのように見せかけるのである。

▶ 続きを読む
関連記事
中共が加える力が大きくなるほど、日本で生じる反作用も大きくなる。これまでのところ、中共は望みを実現できていないばかりか、逆に少なくとも6つの悪影響をもたらした
外交では、握手と署名が「決着」を意味するとは限らない。同じ合意を、一方は和平と見なし、他方は次の一手のための時間と見ることがある。トランプと習近平は、本当に「同じ取引」をしているのか
米中首脳会談は中国優勢との見方を覆し、米国の圧倒的勝利と分析。OpenAIの暴走騒動や米中AI開発競争の激化、米「AI軍」創設宣言が力関係を一変させ、中国を交渉の場へ追い込んだ舞台裏に迫る
中国共産党では第21回党大会に向けた人事が動き始めている。高級幹部の高齢化と世代の断層を背景に、1970年代生まれの幹部が中央委員会にどこまで進出するのか。習近平体制の人事と有力候補を分析
聖書の「バベルの塔」の物語を手がかりに、AI開発競争を考察。技術や資本の集中、共通基盤への依存、競争から取り残されることへの懸念など、現代のAI開発と物語に共通する構図を探る