流星雨はなぜ予測が難しい? 科学者が解き明かすその理由
長年にわたり、流星雨がいつ地球を訪れるかは、天文学の分野でも予測が難しい現象でした。最近、宇宙における生命の起源を探る非営利団体「SETI研究所」が、この予測の難しさの原因は惑星のランダムな重力によるものではなく、実は動いている太陽系の重心が影響していることを発見しました。
科学者たちは、確認されている500の流星雨のうち半数以上が、長周期彗星(LPC)によって引き起こされており、これらの彗星は地球の軌道付近を通っていることを明らかにしました。こうした彗星は、地球に潜在的な脅威をもたらすだけでなく、宇宙船にとっても危険となり得ます。現在、軌道周期が4000年未満で、十分な流星物質を持つ長周期彗星だけが、私たちが観測できる流星雨を生み出しています。
これらの長周期彗星の軌道周期はすべて200年以上で、太陽系内に戻ってくるたびに、その軌道は以前と大きく変わります。彗星が太陽に近づくと、「流星体」と呼ばれる塵や破片を放出し、それが彗星の軌道に沿って緩やかな粒子の帯「流星体流」を形成します。これらの粒子の一部は拡散しますが、大部分は彗星の軌道の範囲内にとどまります。
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