中国の電動自動車用電池メーカー「寧徳時代新能源科技有限公司」は、福建省寧徳市にあるZ Site生産センター展示ホールでAB電池システムの映像を公開している。このシステムは、単一の電池ユニット内においてナトリウムイオン電池とリチウムイオン電池の両方を同時に活用する構造を採用している。2024年11月15日、中国南東部福建省寧徳市にて撮影されたものである。(GREG BAKER/AFP via Getty Images)

【分析】電池供給網を武器化する中国共産党

中国共産党(中共)は、電池産業などに対して、希少資源供給に大胆な掌握をしめし、世界市場のルールを顧みない戦略を展開している。EVやスマートフォンなどの次世代産業が台頭するなか、グローバルなサプライチェーンの脆弱性が明らかとなった。各国は中国への依存から脱却しようとして、安定した供給網の再構築に向けて動きを加速させている。中共の電池戦略の全体像と、それに伴う今後の課題について論じる。

中共は、独自の経済モデルを構築し、世界経済の市場原理に背を向けてきた。このモデルは、他国がルールを順守する前提の下で、自国のみが規律を無視し、市場を操作して供給網を戦略資産として活用するという「寄生的」な構造を持っている。

とりわけ電池産業における支配は、その戦略の最も鮮明な成果である。中共は、国家補助金や掠奪的価格設定といった非市場的手法を駆使し、グローバル電池基盤全体を戦略的武器として掌握中である。

▶ 続きを読む
関連記事
中共の五中全会を前に、全国政協副主席の胡春華が重要会議を欠席し、失脚説や家族の連絡途絶説が浮上した。中共内部関係者は体調不良が理由だと説明する一方、政治的復権は困難との見方を示した
中国株の時価総額が5月のピークから約5か月で約376兆円減少し、弱気相場に入った。AI新モデルの発表も株価を支えられず、台湾・韓国株と明暗が分かれた。消費低迷や不動産不況、企業の収益力の弱さが重荷となっている
台湾で習近平を風刺したコメディアンが、汚物をかけられた後、車ではねられ負傷。検察は中国籍の人物が45万台湾ドルで襲撃を依頼した疑いを指摘し、台湾人5人を起訴。台湾当局は中国共産党による越境弾圧を強く非難
習近平はなぜ後継者を指名しないのか。毛沢東が指名した後継者たちの失脚は、権力継承の難しさを物語る。長期政権の先に待つのは安定か、それとも権力闘争か。ポスト習近平の中国を読み解く
アルジャジーラの潜入調査で、カンボジアの中国系実業家・鄧丕兵と中国共産党当局の接点が浮上した。鄧は中共軍に広州へ呼ばれ秘密協議を行ったと証言。中国共産党当局がカンボジア政府内部の人物に内通者になるよう持ちかけたとも語った