経済は本当に存在するのか?
経済分野のさまざまな「専門家」が、日常的に「経済」の状態についてコメントをしている。たとえば、「経済」が何パーセント成長したとか、貿易赤字の拡大が「経済」を脅かしている、といった具合で、論評によれば、「経済」は財やサービスを生産し、それが国民総生産(GNP)と呼ばれ、そして、ひとたび生産された後、次に求められるのは、それをいかにして最も公平に個人へ分配するかということになる。
しかし、「経済」が財やサービスを生産するという見方は妥当なのだろうか。分配されるべき「国民総生産」というものは、実際に存在するのだろうか。そもそも、論者たちが用いる「経済」という言葉は、何を指しているのか。それは、実体をもつ存在といえるのか。
自由市場においては、財やサービスが全体として生産され、単一の最高指導者によって統括されるものではなく、各個人は、自身の生産と消費に関心を向けており、それぞれが独自に活動するものである。したがって、自由な環境において「総生産」という表現を用いるこ政府の統計調査者が、最終的な商品やサービスの価値を一括りにすることで、GDP統計や他の経済指標を通じて「経済」という概念を具体化しているのだ。こうして「経済」がさまざまな経済指標によって具体化されると、政策立案者は「専門家」が望ましいと考える成長経路に沿って「経済」を導くことができるように見える。
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