中国のEV大手である比亜迪(BYD)は、新たな価格競争を仕掛けた。これは、2024年の北京モーターショーに展示されたBYDの電動車を捉えた写真である。(Pedro Pardo/AFP via Getty Images)

中国EV企業 欺瞞戦略で市場を掌握し バブル崩壊へ

中国の電気自動車(EV)市場では、BYDなどの大手企業が大幅な値下げを繰り返し、価格競争が常態化した。過剰生産や「零キロメートル中古車」といった問題も深刻化しており、業界全体にバブル崩壊のリスクが高まった。

中国の自動車産業では、内部競争が激しさを増し、特にEV分野では、主要企業が値下げをエスカレートさせ、異常な市場環境が形成された。「零キロメートル中古車(新車に近い状態で市場に出される中古車)」という現象も拡大している。中国共産党(中共)政府の「大躍進」式政策が生産能力の過剰と供給過多を招き、企業の短期的利益への執着が長期的には資金繰りの悪化や業界のバブル崩壊につながると専門家は分析した。

2025年5月、BYDは22車種の知能運転モデルに対し、「618」年間プロモーションとして最大34%の値下げを発表した。この「期間限定補助」は6月末まで実施されるという。

▶ 続きを読む
関連記事
中国の蓄電池産業で供給過剰への懸念が強まっている。2026年上半期の新規導入は前年同期比18%減。当局は増産計画の点検に乗り出し、価格競争や業界再編、海外輸出の拡大に伴う貿易摩擦も焦点となっている
中国の8月CPIは前年同月比0.8%、PPIは3.8%上昇した。背景には原油や非鉄金属の価格上昇があり、内需は依然低迷。不動産不況に加え、郎咸平氏が指摘した「賃金総額はGDPの8%」という所得分配の問題もみる
中共人民銀行が8月に20トン超の金を購入し、22か月連続で金準備を拡大した。香港では金保管能力を2千トン超へ拡大する計画も進む。背景に脱ドルや経済制裁への備えがあるとの分析が出ている
中共は9月1日、32年間続いた外国人への配当所得の免税措置を廃止した。外資系企業から受け取る配当には20%の個人所得税が課される。経過措置はなく、発表当日に施行
中国の自動車各社で2026年上半期の減益・赤字が相次いだ。BYDは純利益が前年同期比20.5%減。値下げ競争と需要鈍化で収益が悪化し、主要5社の損失は計約2810億円に上った