2025年5月11日、ジュネーブのスイス国連大使公邸で行われた米中高官による関税に関する協議後、スコット・ベッセント米財務長官(左)とジェイミソン・グリア米通商代表部(右)が報道陣に対し発言。Valentin Rlauraud/AFP via Getty Images

米中貿易協議 APEC会議で継続 関税引き下げ後の進展模索

米中が関税の一時停止で合意した直後、貿易交渉担当者が韓国で開催中のAPEC(アジア太平洋経済協力)会議の合間に再び会談した。

15日、ブルームバーグは、米通商代表部(USTR)のグリア代表が、韓国の済州島で開催されたAPEC貿易相会議の場で、中国共産党(中共)の李成鋼商務次官と会談したと報じた。

李次官は現地メディアに対し、貿易問題について「良好な対話を行った」と述べた。一方、グリア代表は記者の質問に応じず会場を後にした。

両国は数日前、スイスのジュネーブで会談し、一部関税を90日間停止することで合意していた。APEC初日の今回の会談は、両国が対話を継続していることを示す。

アメリカのグローバル関税は、APEC貿易担当者の主要な関心事となっている。APECは声明で、「貿易摩擦の激化や政策の不確実性が、グローバル貿易の原動力であるAPEC加盟国に、他の地域以上の成長鈍化をもたらしている」と指摘した。

APECは21の加盟国・地域で構成され、貿易総額は世界の約半分を占める。同組織は2025年の加盟国経済成長率予測を3.3%から2.6%に下方修正した。

中共商務省のデータによると、4月の対米輸出は、アメリカへの追加関税発動以降、前年比21%減。アメリカからの輸入も同14%近く減少した。

ジュネーブでの関税大幅引き下げ合意を受け、企業は今後90日間で中国からアメリカへの貨物輸送を加速させると予想される。

李次官は、トランプ氏と習近平の会談や電話協議の予定について「現時点では不明」と述べた。

他のAPEC加盟国の貿易担当者は、会議期間中にグリア代表と会談し、米中交渉の進展を探る意向を示した。

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