安さの代償 中国製品の裏に潜む強制労働
2012年、米オレゴン州の女性がKマートで購入したハロウィーンの装飾品の箱を開けたところ、中から一枚の紙切れが現れた。たどたどしい英語で書かれたその手紙には、こう記されていた。もしあなたがこの製品をたまたま購入したのなら、どうかこの手紙を世界人権機構に転送してください。そこには、長時間労働、暴力、そして過酷な中国の労働収容所での実態が綴られていた。
この手紙を書いたのは、孫毅(スン・イー)というエンジニアであり、夫でもある男性だった。孫さんは、中国共産党により非合法とされた精神修養法「法輪功」の修煉を理由に投獄されていた。
私はこの物語を、ドキュメンタリー映画『馬三家からの手紙』で伝えた。今でも彼の穏やかで静かな表情を覚えている。その内面には、鋼のような確固たる意志があった。彼の書く一行一行には、恐怖と希望が交錯していた。孫さんは、その手紙を外部に出すことで自らの命を危険にさらした。自分が永遠に自由になれないかもしれないと知りながらも、彼は真実を知れば、人々は関心を持ってくれる、どこかの誰かが、きっと行動してくれると信じていた。
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