春の気候に合わせて、肝と肺のバランスを整える食材が重要です。旬の白菜と春菊で、肝の働きを整え、肺を潤しながら体調を管理しましょう(イメージ画像)

白菜+春菊でバランス調整! 花粉症と春風邪に効く五行の知恵

春は気候が穏やかで陽の気が高まる季節ですが、その一方で風が強まりやすく、肺の働きが弱まりやすい時期でもあります。そのため、風熱タイプの風邪や、花粉症などの不調があらわれやすくなります。

五行の理論では、肝は「木」に属し、色は緑。肺は「金」に属し、色は白とされます。金と木は本来バランスをとる関係にあり、肺(=金)を強めることで、過剰になりがちな肝(=木)の働きを落ち着かせることができると考えられています。この五行の知恵を活かすなら、春に旬を迎える食材で「肝と肺」のバランスを整えるのが効果的です。

白菜は肺を潤して熱を鎮め、春菊は肝の気を整えて滞りを解きます。この2つを組み合わせることで、色でも五行のバランスにかなっているだけでなく、効能としても肝と肺を補い合い、熱をしずめながら体に潤いを与えるはたらきがあります。さらに脾胃への負担も少ないため、体質が弱い方、のぼせやすい方、アレルギーなどに敏感な方の春の体調管理にぴったりの食材の組み合わせです。

1. 白菜と春菊の効能

◎白菜(白:五行では金に属し、肺に入る)

  • 性味:甘・平性
  • 帰経:肺・胃・大腸

     
  • 主な効能:体にこもった熱や毒素を取り除き、肺を潤して体液を補いながら、腸の働きを整えます。

春の風熱タイプの風邪に見られる、のどの渇き、便秘、鼻の粘膜の乾燥などに。 

◎春菊(緑:五行では木に属し、肝に入る)

  • 性味:甘微苦・温性
  • 帰経:肺・脾・肝

     
  • 主な効能:肝の働きをととのえて気の滞りをほぐし、肺を潤して咳をしずめ、気の巡りを良くして脾(胃腸)を元気にします。

花粉症による鼻詰まり、頭重感、目のかゆみ、涙目、イライラなどに。

 

白菜 × 春菊のおすすめレシピ 3選

春菊(Shutterstock)

1. 春菊と白菜のにんにく炒め

  • 作り方: 春菊と白菜をざく切りに。にんにくを香りよく炒め、全体をさっと炒め合わせ、塩・うま味調味料・白こしょうで味付け。

     
  • 効能: 肺を潤し風を発散、気を巡らせ咳をやわらげる

     
  • おすすめ: 風熱タイプの風邪のひき始めに。鼻づまりやのどの乾きが気になるときに。

    ※中医学でいう「風」とは、季節の変化などによって生じる体の不調のきっかけ。

2. 白菜 × 春菊のあったか味噌汁

  • 作り方: 昆布だしで白菜と豆腐を煮て、仕上げに春菊を加えて味噌で調える。

     
  • 効能: 脾胃の働きを整え消化を助け、肺を潤して心を落ち着かせる

     
  • おすすめ: 虚弱体質・冷え性・敏感体質の方に。食欲不振にも。

     

3. 白菜と春菊の冷菜和え

  • 作り方: 白菜は細切りにしてゆで、春菊はさっと下ゆで。白ごま、酢、しょうゆ、ごま油であえる。

     
  • 効能: 熱や湿気による不調をやわらげ、食欲を促し、鼻や頭の重さをすっきり整える

     
  • おすすめ: 花粉症による鼻づまりや目のかゆみ、春の乾燥便秘に。

     

まとめ

五行理論では「金は木を抑える」とされており、春に肝(木)の働きが強まりすぎると、イライラや花粉症などの不調が出やすくなります。そこで、肺(=金)の働きを高めることで肝とのバランスを整えることが大切です。

白菜と春菊のように、金と木に対応する食材を組み合わせることで、肝と肺の調和が促され、体の内側からバランスが整います。肺を潤しても脂っこくならず、風熱をやわらげても刺激が強すぎず、脾胃にもやさしいため、肺を養い、心身を落ち着かせるのに最適な薬膳の組み合わせといえるでしょう。

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中医学の養生は、体を自然界のように調和させる「気候調整」の学問。五行の働きが乱れると病が生じ、整えば健康が戻る。季節と連動した「人体の気候」を理解することで、日々の食と生活に新たな視点が生まれます。