イソップ物語:「プラタナスの木」(大紀元、パブリックドメイン)
~家族で楽しく学ぶイソップ寓話~

近くにある幸せ【イソップ物語】〜感謝の気持ちを忘れずに〜プラタナスの木から学ぶこと

二人の旅人は真昼の太陽の下を歩いていて、木陰で休むことにしました。横になり、心地よい葉陰から空を見上げると、その木が*プラタナスの木であることに気付きました。

そのうちの一人が口を開きました。「プラタナスなんて、何の役にも立たない!実をつけることもなく、ただ地面に葉を散らすだけだ」

すると、突然、「恩知らずな者たちよ!」という声が聞こえました。驚いて二人が辺りを見回すと、プラタナスの木からその声が聞こえてきたのです。「お前たちは私の木陰で休んでいるのに、私を役立たずだと言うのか!こんなに恩恵を受けておいて、感謝の言葉もないとは」

 

「プラタナスの木」イラスト:ミロ・ウィンター、出典:『子どもたちのためのイソップ童話』(1919年)パブリックドメイン

 

このお話から、私たちが学べることは、

『身近にあるありがたさは、忘れがちになる』

少しだけ時間をとって、今自分がどれだけ恵まれているかを考えてみよう。謙虚になって、感謝の気持ちを持とう!

 

せつめい

*1 プラタナスの木 大きな葉っぱを持つ木。暑い夏に涼しい日陰を作り、幹の皮がボロボロと剥けるのが特徴です。

 

この物語は『イソップ物語』(1919年)から抜粋されたものです。

イソップ(紀元前620年頃–紀元前564年頃)は、ギリシャの物語作家であり、「イソップ寓話」として知られる多くの寓話を残した人物です。彼の物語はその道徳的価値を通じて、長い間、私たちの文化や文明に影響を与えてきました。これらの話は、子どもたちの教育や道徳的な人格形成に貢献しただけでなく、普遍的な魅力を持ち、大人たちがその中にある美徳や警告に耳を傾けたりすることで、自己反省にも繋がっています。

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