アメリカのトランプ大統領は3月3日に行政命令に署名し、2月5日から施行した対中関税を10%から20%に引き上げることを正式に決定した。この関税は3月4日から適用する。(Getty Images)

トランプ大統領 習近平に突きつける「フェンタニル計算書」 毎年2.7兆ドルの損失

トランプ大統領の中国共産党に突きつけた「フェンタニル計算書」が、米中関係に新たな緊張をもたらしていた。年間2.7兆ドルの損失をもたらすフェンタニル危機に対し、トランプ政権は、中国共産党への圧力を強化していて、習近平政権の対応が注目される中、米中関係は、新たな局面を迎えた。フェンタニル問題が、今後、両国の外交戦略にどう影響するのか、詳細に分析しよう。

2025年3月26日、アメリカのホワイトハウスは注目すべき報告書を発表した。この報告書によると、フェンタニルは、毎年アメリカに2.7兆ドルの損失をもたらし、これは、GDPの約10%に相当して、数十万の家族が崩壊したと言う。トランプ大統領は、この「計算書」を中国共産党と習近平の責任とした。

この声明は、単なる統計ではなく、ホワイトハウスが中南海に送る強力な政治的シグナルであり、また、トランプ大統領の中国共産党に対する麻薬取締戦争が、新たな段階に入ることを示唆した。

▶ 続きを読む
関連記事
中国が進める「軍民融合」の実態を解説。商船をミサイル艦へ転換する「中大79」や、戦車を輸送する大型フェリー、さらに「海上民兵」という民間を装う準軍事組織の脅威など、偽装される海上戦略の深層に迫る
IMFが中国経済の危機を分析。共産主義の統制が壁となり、国民の消費が進まない歪んだ構造を指摘しています。なぜハイテク投資ばかりで生活が楽にならないのか? 中国が抱える「イデオロギーと経済」の矛盾を解説
ホルムズ海峡の混乱により、世界の注目は紅海の入り口「バブ・エル・マンデブ海峡」へ。ジブチで隣接する米中両軍の基地を比較し、輸送ルートの支配権を巡る現状を解説。米国の圧倒的優位と中国の弱点を解き明かす
米国の軍事行動によりイランが経済的・軍事的に窮地に立つ今、中東から中国・ロシアに至る世界の勢力均衡が変化している。同盟国欧州の非協力的態度を批判しつつ、トランプ政権による戦略的勝利の兆しを論じる
中東は「敵か味方か」だけでは語れない、複雑な利害が絡む場所。2026年、米国が仕掛けた「二重封鎖」という新戦略が、イランや中国の計算をどう狂わせるのか。平和を揺るがす「急所」の正体を分かりやすく解説