冬病夏治(とうびょうかち)冷え症や風邪の生姜対策

冬病夏治(とうびょうかち)とは、冬の慢性病や陽気(カラダの中から温める力)不足などが原因で起こる病気(冷え症、風、頭痛、体の腫れや炎症)は夏の間に予防・治療することが大切だという中国漢方の考え方です。「冬には大根を、夏には生姜を食べましょう」という言葉もあって、生姜が「冬病夏治」に重要な役割を果たしています。

「病気にならない蒸しショウガ健康法」の著者、イシハラクリニック副院長の石原新菜氏は「寒気」はあらゆる病気の元であり、体が冷えやすい人は体質を改善しないと、血液循環が悪くなり、免疫力の低下、代謝も下がってしまう状態に陥ることが多いと指摘しています。

寒気が侵入することで体に表れる症状として、目の下のたるみ、喉の乾燥、二重あご、発汗、偏食、腹の膨らみ、下半身のむくみ、涙が出やすい、くしゃみや鼻水、粘りある舌苔、舌の縁がぎざぎざした形、肌が白くて体型はぽっちゃり、下腹部肥満や下半身脂肪肥満等が見受けられます。

石原先生は日常生活に運動やお風呂を取り入れ、体を温めるのもいいし、生姜を食生活に取り入れることも、体の内側から体質を改善する方法として非常に効果的だと勧めています。生姜は体温を上げ、体内の寒気を排除できるので、寒気による症状も解消されます。

生姜に含まれるジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロンなどの成分は、血液循環の改善、体の温め、新陳代謝の促進に非常に効果的です。生姜は暑い時期にテンションアップ、発汗を促し、体温を下げる作用があるとし、夏に生姜を食べると、疲労回復、無力感解消、眠気覚まし、食欲増進、腹の膨らみや腹痛などの症状を和らげる等の効果が十分期待できます。

以下の状況に該当する場合、生姜を食べて寒気を排出しましょう:

・手足の冷え

風邪をひきやすい

・体温が35度前後

・疲れやすい

・入浴はシャワーだけ

・よく冷えた飲み物を飲む

・運動が嫌い、または運動しない
 

寒気駆除に最適ー生姜紅茶

生姜紅茶は作り方が簡単で、胃腸に優しくて吸収しやすい、寒気対策として効果的で、見逃せない健康的な飲み物です。

作り方

新鮮な生姜をすりおろして、熱い紅茶に加えるだけです。紅茶1杯に入れる生姜の量は親指程度を目安にしますが、個人の好き嫌いに応じて増減しても構いません。必要であれば黒糖を加えても良いでしょう。

紅茶には抗酸化作用や胃腸の健康促進効果があり、黒糖には体を温め、痛みを和らげ、血行を促進する効果があります。どちらも体を温める食材で、一緒に飲むと寒気を追い払う効果が大いに期待できます。

飲み方:毎日2~4杯。

すりおろし生姜(Shutterstock)

 

以下の症状があれば、生姜茶を飲むと良いでしょう:

・痛み:肩こり、頭痛、腰痛や膝の痛みなど

・高血圧

・寒さに敏感

・むくみ

・生理痛、生理不順
 

注意事項:

漢方では、生姜に辛みと温かみの性質があるとしているので、口の乾き、喉の渇き、喉の痛み、多汗の症状がある人は摂取を控えましょう。

腫れ物、膿瘍、肺炎、肺膿瘍、肺結核、胃潰瘍、胆嚢炎、腎盂腎炎、糖尿病、痔を治療している方は、医師の指示に従う必要があります。

(翻訳編集 正道勇)

李梅